ポゴシプタ〈TH〉完結 (ページ17)

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「…起きてください」

頭上で声がし

ポンポンと肩を叩かれた

はっとして起き上がり声がした方を向いた

「大丈夫ですか…？」

「大丈夫…で…す」

あれ…俺観覧車に乗って…それで

ふと男の人を見た

「白衣…？」

改めて周りを見ると

見覚えのある部屋だった

今まであった出来事は夢だったのか…？

「あっあの俺、ここで寝てたんですか？」

男の人に聞くと

「えぇまぁ10分くらいですかね」

「そっそうですか…あっA…Aは！」

「先程霊安室に運ばれましたよ」

「霊安室…」

男の人の言葉でAはもういないと実感した

ほんとに君は俺からいなくなっちゃったんだね

「では、僕はこれで」

そう言って男の人は出て行こうとして俺の方を向いた

「ちゃんと会えましたか…？」

「えっ？」

目を見開いて男の人を見た

「あっ会えました…！」

そう伝えると

「そうですか、よかったです」

ふっと微笑んで出て行った

「あっ待って、待ってください！！」

何か何か知ってるはずだと俺も飛び出した

「いない…」

どこを探しても男の人はいなかった

でも、見覚えのある後ろ姿を見つけた

「おばさん！」

「あっテヒョンくん…」

きっとずっと泣いていたんだろう

目元が真っ赤だった

「ごめんね…もっとはやく電話しとけば」

「そんな…自分を責めないでください！それだったら俺もAの側にいればよかったと後悔しています！」

そういうとハンカチで目を抑えた

「娘の彼氏がほんとにあなたでよかった。Aを好きになってくれてありがとう」

そう言って笑うおばさんはAにすごく似ていた

「あっそうだった…これ、たぶんテヒョンくんのだと思うの。誕生日って言ってたから…」

持っていた袋を俺に渡した

「それじゃあ、私は手続きがあるから…」

「あっわかりました…」

「気をつけて帰ってね」

「はい…」

おばさんが行ってしまうと渡された袋をみた

『テテにプレゼント買いに行ったんだ』

「…誕生日…か…」

外に出て空を見上げた

A…やっぱりさびしいよ

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