ポゴシプタ〈TH〉完結 (ページ16)

今日:9 hit、昨日:0 hit、合計:34,952 hit

16 ページ16

.

「昨日ね、テテにプレゼント買いに行ったんだ」

Aは顎に手を置いて目をつぶった

「そしたら…子供がね泣いてたの。どうしたの？って聞いたら道路にお金落としちゃったんだって
それないと帰れないって言われたからじゃあ私がとってあげるって言ったの」

「…お人好し」

そう言うとクスッと笑った

「知ってるよ…でも、テテもきっと助けようとするでしょ？」

目を開けて俺を見つめた

「大丈夫だろうって思って行ったら、やっぱり大丈夫じゃなかったみたい。反対から車来てるの気づかなかった」

バカでしょって舌をだすAに苦笑する

「バカだよ…大馬鹿だよ…ほんとにバカ…」

視界が涙でぼやける

「…テテ。私ね、死ぬ直前テテに会いたいってずっと願ったの。そしたら…神様がチャンスを与えてくれた」

「テテに会える一度きりのチャンスを」

Aはそっと俺に手を伸ばし、俺の目元をぬぐった

「会えてよかった…」

「A…」

「テテ…テテ…私、テテが好き。大好き。
世界で一番愛してる。だから…私がいなくなっても
幸せになって」

俺はその言葉に顔を横に振った

「…やだ…。俺、Aがいないと…っ！」

Aは俺の口を塞いだ

俺から離れると

「お願い」

もう一度そう言って

「もうそろそろ帰らないといけない」

困ったように笑った

「どこに…？」

Aは指を上にさした

「ねぇテテ約束してくれる…？」

「…」

ギュっと拳に力が入った

「テテ…」

「…わかった。でも、でも、俺はずっと好きだよ。Aのことずっと大好きだよ。俺も世界中の誰よりも愛してる」

「Aに会えてほんとによかった」

そう言って笑うとAはずるいよ…と泣き出してしまった

「行きたくなくなるじゃんか…テテのパボぉ…」

「A」

名前を呼ぶとAは顔を上げた

それと同時に顔を近づけて

最後のキスをした

目を開けると

俺の大好きな笑顔で笑って

「テテ愛してる。私を好きになってくれてありがとう」

その言葉が最後に俺の記憶はプツリと途切れた

.