ポゴシプタ〈TH〉完結 (ページ12)

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「こっち来ないでぇぇえ！！」

「いやぁぁあ！」

「…A…もげる…」

無我夢中で俺にしがみつくA

もうそろそろ腕がもげるかもしれない

「もうそろそろ出口かもよ」

指を指すところに明かりが照らしていた

「ほっほんとだ！」

「あともう少し歩けばつくよ」

「うんっえっいやぁぁあああ泣」

床に這いつくばって俺たちを追いかけようとするお化けにビビるAは

俺を引っ張って出口と思える場所まで走った

「着いた！！」

ようやく出口にたどり着いたようだ

Aはすぅーはぁと息を整え、俺の方を向いた

「怖かったっ…！」

震える声で俺に抱きつき、怖かったと何度も連呼した

『おかえりなさい～またのお越しをお待ちしてます～』

係の人がでてくるとパッと顔をあげ

「もう二度と行きません！」

そう断言した

係の人めちゃくちゃ苦笑いしてるよ…

俺はすいません…と頭を下げお化け屋敷を出た

「あぁほんとに怖かった。見た！？最後のお化け私を捕まえようとしたよ！？あぁ怖かった」

「うん、見た見た。よく頑張ったね。偉い偉い」

そう言って頭を撫でると

満足そうに笑った

「テテがいたから頑張った」

なんてかわいいこと言ってどんだけ俺は我慢をすればいいんだろう

ちゅっとAにキスをすると

もうといって頬を染めた

ふと空を見上げるとだいぶ明るさがなくなっていた

「もうすぐ1日が終わるね」

なんて声をかけると

Aは黙った

「A？」

「あっうん！そうだね！早かったなー！
あっじゃあ最後に観覧車乗ろっ！観覧車！」

そう言って観覧車を指差した

「うん…そうだね、乗ろっか」

無理して笑っていることなんてすぐわかる

だから、それがいっそう俺を苦しめるんだ

目頭が熱くなるのを止めるように

ぎゅっと拳を握りしめた

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