２１話・・・☆ 異なるラストにハッピーエンド ページ22
〜Aside〜
A『さようなら………。王子様。お幸せに………。』
このまま姫は泡となり消えてゆくのです。
”ガッ“
A『っ？！』
日『待ってください。』
何でですか？！
こんなのっ、台本にはっ！
日『貴方が私を助けてくれたのですね？今の今まで忘れていました。』
A『えっと、私………。』
日『結婚なんてしません。嘘をついている姫君は許せません。誰が何と言おうと、私の嫁は貴方です。都合がいいですよね？』
A『そんなことありませんっ！私も、王子様のことが好きです！』
日『姫………。』
A『王子様………。』
そして、キスするフリを………っ？！
零【こうして、王子と姫は結ばれ、末永く幸せに暮らしたとさ。】
零先輩もアドリブで合わせてくれました。
こうして、舞台は拍手喝采で幕を閉じました。
しかし―――
日「すみませんね、舞台後に呼び出してしまって。」
A「私は大丈夫です……。それよりも、あのときっ！私にキスをっ！」
日「すみません、嫌でしたよね………？」
A「そんなことありませんっ！そして、話とは………？」
日「Aさん、私は貴方のことが好きです。出来ればお付き合いしてほしいです。」
A「あの、次は何の舞台の練習ですか……？」
日「練習じゃありません！本気です！」
嘘………。
A「嘘、です………。私なんかではなくて、花音お姉様や菜乃香お姉様の方がよろしいのでは…………？」
日「私は、花音さんや菜乃香さんじゃなくて、Aさんがいいのです。私ではやはり駄目ですか？」
A「駄目なんかじゃありませんっ！私も、私もっ、日々樹部長のことがずっと好きでしたっ。こんな私でよろしいのならば喜んでお付き合いさせて頂きますっ！」
日「はい。これからもよろしくお願いします。Aさん。」
A「はいっ！わ、渉様。」
初主演の舞台が成功した日。
それは、私の初恋が実った日になりました。
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作者名：まこと | 作成日時：2017年7月5日 21時
