無限の未来 15th season (ページ47)

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747話ページ47

【大我】

公演の途中で、Aが何度か息苦しくなったりはしたけど、一つひとつ目の前のことに対処して、全てやり切った。

MG「お疲れ。ゆっくり帰ろうって言いたいところだけど、新幹線の時間あるし、今日は…。A、いけそう？」

「ん…だいじょぶ。シャワーだけ、浴びてくるね…」

桃「着いていく。外いるから、何かあったら呼んでいいからね」

「ごめん、酸素だけ…お願いして、いい？」

念のため、酸素を用意してシャワーを浴びるAだけど、自分でも不安なのか、いつもの半分くらいの時間で出てきたA。

まだ濡れている髪を乾かしてあげている間、ちょっとだけ酸素を吸わせたけど、思ったよりは大丈夫そうかな。

「今日さ、楽しかったぁ…樹くんの、お祝いもできたし…」

桃「んだねぇ～」

「お客さんとこ、行きたいって言った時…ありがと、みんな、止めないでくれた。それが、一番、嬉しかった」

桃「よしっ、乾いた。ん、手繋ぐよ？あ、色変わってる。戻ったら、もっかい酸素だね～」

楽屋に戻れば、すでに俺たちの荷物はまとめられていて、あとは出るだけになっていた。

ちょっと酸素が下がっていたAを車椅子に乗せ、新幹線に乗り込む。

と、こんなことは良くあることだけど、俺らの触る席のそばには、さっきまで会場にいたであろうファンの女の子たちが見える。

「酸素…外す。車椅子も、降りる…」

青「いや、無理だよ。しんどいだろ…？」

「だって…」

デッキで、Aと樹が言い合いしてるのが聞こえるけど…確かに、ライブで疲れ切っているAは、酸素を外せる状態ではなくて。

義足はつけているけど、歩くのには力も十分に入らなくて、揺れる車内では危なっかしい。

でも、あの子たちの今日の“夢の世界”壊したくないっていう気持ちも、分からなくはない。

青「ん、じゃぁ俺とここ居よっか。デッキ。そんならいいっしょ？」

「ん…それは…」

自分の体について、受け入れてないわけじゃないし、YouTubeやメディアを通して伝わっているだろうし、今回のライブで、ファンの子にも話した。

それでも、いざこの距離で目の前にすると…やっぱり違う感覚になるんだ。