無限の未来 15th season (ページ3)

今日:4 hit、昨日:51 hit、合計:74,316 hit

703話ページ3

【ジェシー】

「ジェス、高地来るまで、ソロの練習せーへん？」

赤「おーいいよ、俺のも聴いてほしい」

俺は今回のソロコーナーで、憧れの剛くんが歌ってた曲を、Aは、大切な人を想った洋楽を歌う。

お互いが、今回お互いの歌う曲のジャンルは得意分野だから、発音だったり、声の出し方だったり、かなり詰めている。

赤「え～、めっちゃ練習してるじゃん！発音超キレイになってるよ」

「ホンマ？んー…でも、なんやろな。物足りひん感じせーへん？」

赤「確かに。なんかなぁ…なんだろうね？」

Aの言う通り、少し物足りない感じはしていた。

特に、ここ最近ではリハも進んできていて、他の曲とのバランスも見ている。

悪くはないし、Aの歌声や、この曲へのレベルだって、正直物足りないはずはない。

けど、回数を重ねるごとに、しっくりこなくなる。

「今日、最後一回通すよね？」

赤「うん。その予定ね」

「その時に考えようかな。曲順チェンジしてもらうことになるかもやけど」

リハをし、その日のフィーリングで曲順の入れ替えはよくあること。

なんならこれまでだって、お客さんの入った感じや反応を見て、本番の感触から曲を削ったり、変えたりしたことだってある。

青「A、ジェシー？高地来たから、流してみるって～」

「ん、分かったー！」

頭から一曲ずつ。

歌とダンスメインで合わせる今日のリハーサル。

俺のソロから、Aのソロ、そして慎太郎のソロへと移り変わっていく中で、やっぱり納得いかない顔をするA。

きっと、いくつか思ってることがあるんだと思うし、多分俺の思ってることと、Aが言いたいことは同じのような気がする。

赤「A、ソロ曲さ…別のにする？」

「うえっ！？」

赤「いや、なんか多分…別の曲の方がいいんじゃないかな。慎太郎のも英詞だから埋もれてんのかと思ったけどさ、思い切ってチェンジしたら？」

んー…と悩んでしまったAだけど、他のメンバーも今日の感じを見て、同じようにしっくりきてなかったみたいだった。

悩ませて悪いけど、初めての全国ツアー。

Aを一番輝かせる方法を取りたいだけなんだ。