無限の未来 15th season (ページ22)

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722話ページ22

そりゃぁ、そうだ。

今時の動画サイトはすごいんだ。

SixTONESの動画をたくさん見ていれば、AIは、私がSixTONESのファンなんだって認識するんだろう。

そんな中で見つけた、懐かしい関連動画。

「ブッサイクやったわぁ～。私」

ほっくんに電話をしながら、思い出したらなんだか笑えてきた。

ブッサイクだった。

目なんか真っ赤になって、半分しか開かないくらい腫れてた。

義足は外して、片足しかない私。

ワンワン泣いてるから力も入らなくて、先輩や、同期に支えられていないと立てないくらい、フラフラだった。

「でもさ…あの頃の私、カッコいいね」

黒『…大丈夫？泣いてない？無理して笑ってない？』

「…あの頃みたいに、なれるかな」

ほっくんは、しばらく何も言わなかった。

ほっくんの優しい息遣いが、電話の向こうから、少しだけ聴こえる。

黒『あの時、何考えてた？』

あの時…あの夏…あの日。

「なんも…。目の前のことが、全てだった。ただ、それだけ」

黒『…またそうなれたら、いいね』

「うん…」

黒『でも、無理に…あの時の自分みたいに、ならなくたっていいと思う』

黒『あの時のAは、確かにカッコ良かったし、俺も今でもあれ見ると感動する』

「へへっ…恥ずかしいよ」

あの時の私を、惜しみなく褒めてくれる、ほっくんの低くて優しい声。

ゆっくりと紡がれる、包み込まれるような彼の温かい声は、静かな夜の部屋によく響いた。

黒『あれから、色んなことを経験したんだもん。苦しい思いもしたし、楽しいこともあった。だから、別に…あの時みたいにはならなくていい』

黒『今のAには、今のAにしか見せられない景色がある。今のAだからこそ、伝えられることがある』

黒『こんな言い方したら上からになっちゃうけどさ』

“今の自分に、自信持ちなよ”

敵わないなぁって、そう思った。

目の前のことに必死で、未来のことなんて考えられなかったあの頃。

それはそれで楽しかったし、あの頃の私は、今の私から見ても輝いていた。

でも、今の私だって、まだ輝ける。

だって、あの頃と同じように、心から信じられる仲間が、6人が居てくれるから。