無限の未来 5th season (ページ47)

今日:10 hit、昨日:12 hit、合計:151,151 hit

247話ページ47

【片寄】

期末試験を終え、授業がなくなった俺たちは、学校に通うこともなく。

AはAで、大きい仕事が入ったらしく、ダンスの練習で忙しくしていた。

だから、強化合宿最終日の今日が、久々の再会。

数原「無事に全員の進路も決まったし…一安心だろうな、監督も」

「何二人でしんみりしてるんー？」

片寄「あぁ、俺たちのいい雰囲気が台無しだ」

「何それ、ひどい」

色んなことがあったけど、最近のAは天真爛漫で明るさが増した。

別に今までがそうでなかったわけじゃないけれど、やっぱり、元々いた場所ってあるんだなって、少しだけ悔しかったり。

「やっぱり、ここは落ち着くなぁ～」

数原「怒鳴られた思い出が先に出てくるけど」

「けど？」

数原「確かに、ここは落ち着くよ」

あと少しで俺たちは、それぞれの道を行く。

だけど多分、いや…必ずどこかで繋がっていると思うんだ。

何かあっても、きっと俺たちなら乗り越えられる。

無邪気にはしゃぎながら、時々愛おしそうに後輩たちを見つめるAを見て、確信したんだ。

「私、本当は誰かに甘えてたい人やねん。ずーっと、末っ子やったから。でも、高校入って、野球部で後輩たちと過ごして、こういうのも悪くないって思った」

みんな、知ってたよ。

っていう言葉は、全員で飲み込んで笑い飛ばした。