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197話 ページ47

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今日で、ここに通って受ける抗がん剤治療は最後。

今日のこの治療が終われば、もうあとは夏の大会まで、治療のことは一旦忘れて部活に集中ができる予定だ。

というか、そうなるようにスケジュールしてもらってた。

もちろん、結局は検査の結果次第だけど…。


「あ、ただいま。お疲れ様」

片寄「おー。お帰り。あれー?いつもより遅いけど…どしたん、しんどかった?」

「うん…。ちょっと、終わった後動けんくて。落ち着くまで、向こうおった」


部活までには帰ってくるつもりだった今日だけど、その時間までには戻ってこられず。

というか、どちらにしても帰ってきたところで、部活に行ける体力もなく。

結局は、せめてもと思い、夕飯の準備を手伝うことぐらいしかできなかった最後の治療日。

それさえも、途中までしか体力は持たず、結局ただみんなを待ちながら、これまでの試合スコアのデータを取る…つもりでいた。


佐野「ったくお前は…。治療から帰ってきたら、なにもしなくていいから部屋で休んでろって、何回口酸っぱく言われたらわかるのさ」

「いやぁ…なんか、部屋にいてもねぇ…。ソワソワしちゃうし、気になっちゃうしでさ」

佐野「はい、これは没収でーす」

「あぁ〜、返せよぉ…」


私たちのやりとりを見ながら、キャプテンの数原は“またやってんのかよ”って呆れ顔。

でも、予定通りに今回で最後だといいなって、誰よりも心配そうな顔で言ってくれる数原は、やっぱり私たちの頼れるキャプテン。

思えば、いつだって私がこのチームで自分の立ち位置を無くさずにいられるよう、フォローしてくれていたのは、数原だ。


数原「今日の診察で分かった範囲では、検査結果大丈夫そうなの?」

「うーん…今回の治療の結果を見なあかんからね。今日のでは、なんとも言えんのよ。次病院行って、大丈夫やったら、そのまま終わりって感じ」

片寄「そうなったら、やっとAも思う存分野球できるってことなんやな」


本当にその通りだ。

ようやく、わたしも元に戻れるんだ…。

何もかも、全部投げ出してしまったりもしたけど、それでももう一度頑張ると決めて、踏み切った治療。

もうこれ以上私の好きを奪われたら、たまったもんじゃない。

だから、私は初めて空に祈った。


“母さん、お願いです…”

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美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年9月7日 14時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かん。 | 作成日時:2020年7月14日 17時

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