無限の未来 4th season (ページ48)

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198話ページ48

【数原】

「ごめ…ご飯、いらない…ﾊｧｯ…。遅くなって、ごめん…ﾊｧｯ…誰か、食べれる…？」

数原「あちゃ。熱出てきてる…？まぁ、飯はほっときゃ誰か食べるっしょ。それより、ほんまに大丈夫か？」

「ん…だいじょ、ぶ…。ミーティングは、行…ﾊｧｯﾊｯ」

数原「あかんって。今日は、ミーティングも休み。無理して出なくていいから」

副作用なのか、それとも免疫が下がったところに風邪を拾ったのか、ここ数日ずっと体調の優れなかったAが、久々に高熱を出した。

ただ、ここのところの体調不良で、しばらく練習に出られていなかったり、ミーティングも途中で抜けたりしてたからか、どうしてもミーティングだけは出ると聞かない。

とりあえず、このまま放置しておいたって、部屋で休むとは思えないし、本人は嫌だろうけど、俺らの部屋に連れて行けば、心配そうな俺の部屋っ子、吉野。

吉野「Aさん、1年なら大丈夫ですから…。そんなこと気にしなくていいです。俺ら、どれだけだってフォローしますし。だから、今日くらい休みましょう？」

数原「1年…？」

吉野「え、あっ…なんて、いうか電話」

「…ﾊｧｯ、やっぱり、よく…ﾊｧｯ…思われて、ないから。特に…紗香ちゃん…。休み、ばっかり…やから…っ」

数原「ちょっ…！もう…無理、すんなって…」

今年新しく入ったマネージャー、益田紗香。

監督も一度はマネージャーをとらないと断ったが、3度断られても、諦めずに結局入部した強者。

強者というのか、曲者というのか…とにかく、そのくらい根性は図太いやつで、確かにあいつなら…Aや吉野の言うことも、そうかも…なんて思ってしまう。

確かに一年が入ってきてから、Aは体調の優れないことも多く、練習を抜けたり、休むことは増えていた。

ただ、それについては、ちゃんと説明もしてあったはずなのに…。

というか、そのための初手のミーティングだったんだけどな。

「今日、大事な話…だしね。…ﾌｩｯ、よし、行こう」

吉野「ちょっと、Aさん…」

「大丈夫やから…ね、ごめんね…吉野」

吉野「…数原さんっ」

数原「…ん」

悲しそうにそう言い、熱のせいか足に力が入らないのか、まだ少しふらついているAを、止めることができなかった。

俺も、吉野も。