無限の未来 4th season (ページ26)

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176話ページ26

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「え…？」

あまりに突然の発表だった。

まさか今日がデビュー発表だとはもちろん知らず。

でも驚いたのはそこではない。

画面に映ったのは、4人。

あっくん、淳太くん…それに、シゲと…望。

あっくんから、“内緒やで”って、秋に聞いてたそのメンバーとは、違う。

濱ちゃんは…？

流星は…？

神ちゃんは…？

目の前の画面で、なんともチープな手書きのそれを手に…なんだか、半ばやっつけのようにさえ思えてしまった、その発表。

4人がどう思っているのかなんて分からないけど、少なくとも私には、その手書きのグループ名が、発表されたことが、そんな風に思えてしまったんだ。

勇人「A…？大丈夫か…？」

「うん…」

大丈夫とか、大丈夫じゃないとか…そもそも、そんなところまで考えられるほど、頭は回っていなかった。

なにが起こってんのか、よく分かんないけど、なんか勝手に話は進んでいくし、気づけば放送は終わってた。

ライブの放送が終わると同時に、ジャンジャン鳴り響く通知で溢れる携帯。

関西から、東京から、続々と集まる通知。

静かだったそれは、気づけば見慣れた名前の通知で次々にうめられていった。

そのどれもが、“あけましておめでとう”なんていう、このタイミングにありふれたメッセージではなくて、混乱しているのは私だけじゃないんだなってことを察した。

その通知を全て無視して、入れる一本の連絡。

「あ…あっくん…？…おめでとう」

照史『ん。ありがとうな…』

「もーちょっと、喜んでや。そんな声聞いてまったら、素直に、お祝いできひんやん…」

照史『ふふふっ…。ほんまやなぁ…』

かくいう私だって、濱ちゃんには連絡をできなくて、逃げるように、こうしてあっくんに電話をしている。

同期で、帰り道も同じで、いつでもお兄ちゃんのように、お父ちゃんのように一緒にいてくれた濱ちゃんの気持ちを思うと、どうしようもなく胸が痛んだ。

「なぁ、みんな…そこにおるん？」

照史『おん、おるで。変わるわな…？』

淳太くん、シゲ、望。

みんな、何を思ってるんかはわからん。

わからんけど…みんな、デビューが決まったのに、素直に喜べていなかったのは確かだと思う。

それくらい、分かるよ…。

年が明けたのに、気分はスッキリしなかった。