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【風磨】
土曜日の、最後の予約。
本来なら、もう少し早いタイミングで来るはずだったお嬢さんのカラーリングやらなんやら、無理やりねじ込んだ。
来る予定だった日、体調崩しちゃったからね。
菊池「もう大丈夫なん？」
「ん、だいじょーぶ」
菊池「ハハッ！嘘じゃん、まだ本調子じゃねぇだろ。わかんだよ、俺」
「なにそれ〜」
菊池「しんどくなったら言って？別にやってる間寝ててくれていいし、Aのペースに合わせるからさ。どうせおまかせだろ？」
「ふふっ。ん、おまかせ。一番可愛くしてね」
常に可愛くしてるっつーの。
美容院デビューから大人になった今の今まで、一度だってAが美容師を浮気したことなんてなくて、バージンヘア卒業させたのも、闘病中に意を決してショートにした時も、ウィッグだって俺が選んだ。
どんなに苦しい時でも、そん時いっちゃん可愛いAを生み出してきた自信が、俺にはある。
なんてね。
菊池「あれ…なぁ、お前ここまた引っ掻いたろ？」
「んー？」
菊池「首んとこ、赤くなってる」
「あー…今使ってるお薬、ちょっと副作用で痒くなっちゃうんだよね。気をつけてるんだけど…寝てる時かも」
菊池「ふーん。翔太に言われる前に、ちゃんとケアしとけよ？お前、1型のせいで傷治りにくいんだから」
「分かってる〜。ねぇ、風磨くんパパみたいで嫌だ。A、もういい年の女なんだけど？」
菊池「はいはい、すいませんねぇ。ほい、ちょっとだけ下向いて。ん、おっけ」
バッチバチのハイトーンは、あの時あまり遊べなかった反動なのか、それとも、ブチクソに俺らの影響を受けまくった典型的な思春期の名残か。
どちらにしても、今にも瞼が落ちそうな勢いでウトウトする彼女は、この見た目に反するほど、素直であったかい、いいやつ。
そんなAだから、なんだってお願い事も聞いてやりたくなっちゃうんだよね。
父ちゃんには言えない、内緒のお願いとかさ。
菊池「おーい、お嬢さーん？」
「んー？」
菊池「ケータイ。なんかずっと光ってる」
「…ぁえ？にぃにだ」
菊池「相変わらず仲良いな」
「ん…」
眠たい目を擦ってケータイに目を落としたAのこぼした一言は、そんな久々の“内緒のお願い”だった。
「風磨くん、にぃに助けてくれない？」
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かん。(プロフ) - 黒loveさん» リクエストいただきありがとうございました！お待たせいたしました、短編集��にてお話完結となります。ありがとうございました！ (10月29日 15時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - かん。さん» 書いて下さりありがとうございます!!これからも応援してます😊 (9月21日 21時) (レス) id: 560bd373a9 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» リクエストいただきありがとうございました☺︎イメージ通りにできていますでしょうか…？お楽しみいただけていたら嬉しいです！いつも応援していただけて感謝しております！これからもよろしくお願いします！ (9月20日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - ちぃぷーさん» リクエストいただき、ありがとうございました！都合により、一旦パパに振ってしまいましたが、この後別のリクエストでこのお話を引き継いで佐久間くんに登場してもらう予定なので、ぜひそちらも引き続きよろしくお願いします！ (8月31日 12時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
黒love - いつも見てます!リクエスト失礼します。ほっくんが髄膜炎の治療中の話が見たいです。お願いします (7月25日 19時) (レス) id: 247892270a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2023年5月18日 12時
