どんな明日も… (ページ16)

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【樹】

最近仕入れた情報。

髙地のとこによく電話かけてくる幼なじみの女の子は、どうやらAちゃんという名前らしい。

歳は髙地と一緒だから、俺よりは２つ歳上。

小柄で、ちょっと童顔らしいけど、写真とかは見たことなくて、あくまでも全部、俺がなんとかしつこく聞き出した北斗からの情報である。

黒「ダメだからね。髙地、ホントにAちゃんのこと大事にしてるんだから」

青「え！？そういう…」

黒「違うよ。俺も、なんであれだけ思ってんのに付き合ったりしないのかなって思ってるけど…。ま、髙地なりに考えがあるんじゃない？ほら、こんな仕事してるし…俺ら」

青「こんな仕事ねぇ〜…」

だからって、一人の男としての自分を捨てるのもなんか違うって思ってる俺は、まだ青いとか、プロ意識が低いとか言われんのかな。

でも、そう言う割には雑誌の取材で好きなタイプだとか、理想の結婚だとか聞いてくるんだから、わけわかんない世界だこと。

青「あ、そういや北斗。お前誰か呼ぶの？SUMMARY」

黒「ん？あ〜…無難に、親かな。別に誰か呼びたいってわけでもないし」

青「やっぱ親かぁ〜。いやさ、弟が珍しく来たいって言うんだけど。そしたらひとつ上の兄貴も、俺も行こうかな〜とか言うし、ママはいつも通りなのよ」

初めての単独コンサート。

ジャニーズJr.自体、短期ではあるものの密着が決まっていて、そのメインに近しい形で俺たち6人がフィーチャーされるらしい。

家族や近しい人を、コンサートに呼べるなんて…呼ばれる側だった俺からすれば、憧れだったところもあって。

浮かれていないわけがなかった。

青「え！てかっ！髙地、呼べばいいじゃん！」

黄「えぇ？俺ぇ？誰を？」

青「幼なじみの！Aちゃん！」

黄「…あぁ、コンサートね。A…ん、そうだね」

青「…ん？あいつ、なんか元気ない？」

黒「ね。なんか、いつもと違うね」

どうしても髙地がそこまで大切にしてる幼なじみちゃんが気になる俺は、もしかして髙地がコンサートに呼んだら、噂のAちゃんに会えるんじゃない！？って。

下心全開なのは認めるけど、それより髙地がなんとなーくぼんやりしてるっていうか。

今まであんな感じの姿見たことなかったから、やっぱり同じ括りのメンバーとしては心配だったんだ。