いつも僕らは-4- (ページ36)

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【186】SHINTARO ページ36

無事にAも出戻りすることなく年末年始を過ごして、また足並み揃えて新学期から登校。

一人ではまだ不安なのか、樹に付き添ってもらって。

しかも、どこかスッキリした顔してる樹に。

慎「ちゃんと話せた？」

樹「んー…どうかな？ちゃんと話せたかって聞かれると、自信ないけど…伝えたいことは、伝えた。分かってほしいってことも、話した。受け入れてくれるかは、任せるしかないし」

慎「言いたいこと、言えたわけだ」

樹「ま…そういうこと？」

慎「ならいいじゃん。もう、なるようにしかならないし。てか…それだけ話して振られてないってことは、そういうことなんじゃない？」

そうなんかな？なんて、樹にしては珍しく弱気な発言だったけど、もうそう思い込むしかないみたいなところってあるよねって、そんな話したのが年明けてしばらくの頃だった気がする。

現にあの一件については、樹の方もAの方も大体落ち着いたみたいだし。

たとえもし、今がそのことで樹の彼女が悩んでいる期間なのだとして、やっぱり受け入れられないと言われてしまうのなら、樹に言った通り、それまでなんだから。

そうして迎えた、新学期の朝。

北「お、樹じゃん。おーはよ。なにしてたの？もっと早く着いてたっしょ？」

樹「おぉ〜、まぁその辺フラフラしてた。あ、でもAなら、ちゃんと保健室送り届けたぞ」

北「あー、うん。俺もさっき顔出してきた、さんきゅ」

慎「え〜、じゃぁ俺も行ってこようかな」

北「今日は落ち着いたら教室来るって言ってたし、今はやめといたげて。俺行った時、やっぱ久々だからまだしんどそうだったし」

慎「あ、そうなの？」

それなら始業式の体育館でのおはようになりそうだな、なんて思って向かった体育館では、桐山先生の隣にちょこんと座ったA。

ホッカイロをニギニギして、隣の桐山先生と時々ポツポツと話すAは、少しだけ痩せたような気はするけど、それなりに元気そうだった。

慎「おはよ」

「あ、ココア」

慎「ん、寒いかなって思って。そこの自販で買ったからまだあったけえよ。カイロよりあったかいんじゃない？」

「ふふっ。ん、慎の優しさが一番あったかい」

そんなこと言うAの心が、一番あったかいよ…なんてのは、恥ずかしくて言えなかったけど。