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【目黒】
“来週は、必ず来いよ”
優吾さんの、そのメッセージだけで、大方予想はついていた。
きっと、Aが来るんだろうなって。
気合入れて、お気に入りのジャージを身にまとって、丁寧にヘアアイロンなんか使っちゃったりして。
“めぐ先輩、絶対顔見えてた方がいいよ！”
あの頃、君が似合うと言ってくれたテクノカットは、大学に入っても変えてない。
黄「よっ」
目黒「あ、おはようございます」
クイって、優吾さんが顎を向けた先は、地べたにぺたんと座り込んで、ちびっ子たちとボール遊びをしていたA。
かと思えば、子どもたちはいつの間にか別の遊びに夢中で、彼女はひとり、地べたに座ったまま、ボール磨き。
…女の子なんだから、なんて言葉が、おてんばな彼女に通用しないことくらい、十分に心得ている。
それに、ああやって夢中になったら、しばらくは周りの声が届かないことも。
黄「すまんねぇ…」
苦笑いの優吾さんは、入念にストレッチをしながら、もうおっさんだからなぁ〜なんて。
そろそろ…声、かけてみよっかな…。
目黒「…お嬢さん？」
「…」
目黒「…A？」
「わっ！めぐ先輩だあっ！」
ずっと呼んでました？って、恥ずかしそうに聞くもんだから、そんなAをちょっと揶揄いたくて、4回呼んだって嘘ついた。
まんまと騙されたAは、ちょっと照れた顔で、ごめんごめんって。
目黒「今更なんだけどさ。もう卒業したし、先輩じゃなくていいんだけど？」
「ふふっ。それは、別の呼び方で、お呼びしろということですか？」
目黒「そうだと言ったら…嫌ですか…？」
俺だって別に、これまで、女の子とそういう経験がないわけじゃない。
けど、なんか…目の前のAに対しては、バカみたいに慎重で、面倒くさいぐらいに、一歩一歩、確かめるようにしか、進むことができなかった。
でも、それが暗黙の了解のように、お互いが慎重で、お互いが臆病で、弱気で、情けないけど…お互いが、お互いを、どこまでも大切なことだけは、なぜか分かってて…それが、愛おしくて仕方なかった。
黄「目黒っ！」
目黒「やべっ、呼ばれちった。行ってくるわ！」
“もう少し、隣にいてほしかったな…”
彼女がそう呟いた声は、優吾さんが俺を呼ぶ声に、かき消された。
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かん。(プロフ) - はなさん» コメントありがとうございます！一番好きと言っていただけて、嬉しい限りです(;_;)移行先でも、お楽しみいただければ幸いです！これからも、作品ともども、よろしくお願いいたします(^^) (2021年9月11日 1時) (
レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
はな(プロフ) - いつも素敵なお話ありがとうございます^_^占ツクの中で一番好きなお話です！看病系のお話が好きで、主人公ちゃんの体調不良のお話を書いていただけてとても嬉しいです。ストーリーも感動する内容が多くて、本当に主様の作品のファンです！これからも楽しみにしてます！ (2021年9月9日 22時) (レス) id: 0623cd8dfd (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - サルコイドーシスはじめて聞きました。調べてみたら全身？に症状が出る病気みたいで心配です。 (2021年9月8日 7時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
かん。(プロフ) - 佑妃奈さん» いつもコメントありがとうございます！少し物語が動きますが、またゆっくりお待ちいただけたら嬉しいです＾＾ (2021年9月8日 0時) (レス) id: bd45e6ad2b (このIDを非表示/違反報告)
佑妃奈(プロフ) - 北斗くん何があったか気になります｡ (2021年9月7日 21時) (レス) id: f264ee5bd6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かん。
| 作成日時：2021年7月4日 12時
