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「海やー!!」
今日は待ちに待った海ロケの日。最近続いた悪天候と打って変わって快晴だ。
「はしゃいでんな笑」
1年ぶりの海にテンションが上がりに上がりまくるA。
「たかし、いこ!」
隣にいた俺の手を掴み、目をキラキラさせながら砂浜を走り出した。
転ばんようになー! というともやんの声が後ろから聞こえる。
バシャーンと大きな音を立てながら海へダイブ。
「気持ちええなぁ!」
はじけるような笑顔で笑いかけてくるもんだから、つい見惚れてしまう。
ミュージックビデオのワンシーンのような一瞬に息を飲む。時の流れが遅くなったような感じがした。
「たかし?」
反応のない俺を不思議そうに見つめる。
「あっちの岩まで競走しようや」
見惚れていたのを誤魔化すように勝負をふっかけると、Aは負けへんで!と意気込む。
「ぷはっ 負けた〜〜」
「俺に勝とうなんて100万年はいっちゅーことや」
競走はもちろん俺の圧勝。
「もう1回しよや!次は勝つから!」
「、、ちょっと休憩しよ」
再戦の申し込みをお断りして、砂浜にいたともやんやてっちゃんとバトンタッチ。
ぺろ愛とどば師匠の横に座り込み項垂れる。
「たかしどうした」
「、、、
えろすぎるなぁ」
言っていいのか、いや男しかおらんし言ってダメなことはないのだが、メンバーの女の子だし、なんとなく気が引けなくもない、とぐるぐる考えた言葉はついポロッと口からこぼれてしまった。
「いやほんまにな」
「黒の水着がまたええよなぁ」
そうなのだ。本当にそうなのだ。白い肌に黒の水着がなんともAの色気をマシマシにしている。
「ともやんもてっちゃんも同じこと言ってたで」
さすが俺ら、みんな思っていることは同じ。
周りに水着を着たかわいい女の子はたくさんいるけど、俺らの姫がやっぱりナンバーワンでハチャメチャかわいいってこと。
「水に濡れてんのえろすぎて勃ちそうやったわ笑」
「捕まれ笑」
いつも一緒にバカなことして同じ時間を過ごしているはずなのに、雰囲気が少しでも違うと調子が狂ってしまうのは何故なんだろう。
「もーまた負けたわー」
愚痴を吐きながら海から出たAは、俺たちの横で砂山を作りはじめた。
小さくなった背中がなんか可愛くて、近づいてつい声をかけてしまう。
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あいう - 面白いからいっぱい更新してほしい!!です (3月27日 23時) (レス) id: 9d9e909624 (このIDを非表示/違反報告)
か - 最高 (1月30日 11時) (レス) @page30 id: 4b027b8348 (このIDを非表示/違反報告)
す - 大好きです!面白すぎました!!更新お願いします!!お願いです、!! (11月16日 23時) (レス) id: 25b83695bb (このIDを非表示/違反報告)
ほえ - 更新待ってます!頑張ってください (2021年11月19日 16時) (レス) id: c9c36d94f1 (このIDを非表示/違反報告)
鶴舞しゅん(プロフ) - 応援してます! (2021年10月25日 16時) (レス) id: 94c5de59b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:4したか | 作成日時:2021年8月16日 5時