DATE18 ページ19
ソウ
「そうだね…手紙通りにする必要はないと思うけど……そろそろ…この部屋以外も探索してみようか?」
手紙について悩み果てる私達に、ソウさんが一つ提案をする。
見落としていたが、この部屋からは三つ行ける部屋があるようだ。
ここでじっとしていても、この現状では確かに何も生まれないだろう。
ナオ
「あ…危なくないですかぁ?」
Qタロウ
「帰りてぇしなぁ…じっとしてもいられんちゅうか…」
不安そうにミシマさんへと寄るナオさんに、帽子を被り直し、そわそわしているのを隠しきれないQタロウさん。
危険があるにしろ、何かしなければ飢死にしてしまうだけだ。
ジョー
「す、数人でまとまって動こうぜ…!」
ケイジ
「誰か…怪しい動きがないように…だろ?」
焦りを見せながら、ナオさんの“危険が伴う”の不安をなくす提案をするジョーさん。
しかし、それには私が推測した理由とは別の理由があったようだ。
ケイジさんに言葉を続けられ、ジョーさんは図星をつかれたのか口ごもる。
隣にいたサラさんは、心配と疑問の眼差しをジョーさんに向けていた。
ナオ
「うぅ…怖いです…最初の試練みたく…恐ろしい仕掛けがあったら…」
ナオさんの不安は、ジョーさんの提案を聞いてもまだ解消されていなかった。
しかし実際、ここに来るまでに私達の大半は一度生死をさまよったのだ。
まだその記憶が鮮明に脳内にあるのだろう。
私も同じように怖い。
レコ
「ならナオと私でカンナを診ておくよ。お前ら危険だったらとりあえずここに戻ってこい」
レコさんの提案に一同賛成し、各々がグループを組み始める。
しかし、先ほどからのレコさんの言動には、どこか女性や子供を優しく、強そうでしっかりとした男性には辛辣な対応を見せる節がある。
私には気遣いを見せてくれて嬉しい反面、男性に厳しいのに余計に疑問を持つ。
怖がるナオさんや、寝込んだままのカンナさんにふわりと笑みを見せるその姿を見ていると、トクが私の肩を叩き声をかけてきた。
トク
「一緒に探索するか?」
A
「勿論、断る訳がないよ」
トク
「そう言うと思った」
二つ返事で了承すると、トクはそれを見越したかのように相づちをうつ。
トクの調子が、いつも通りに戻ってきた。
彼女につられて笑顔になり、一時の安らぎを覚える。
未知の場所へ行くのも、今のトクとなら大丈夫な気がしてくる。
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