DATE12 ページ13
ナオ
「先生はいい人なんです！信じて下さい！Aさぁぁん！！」
A
「と、特に疑ってなんてないですよっ！寧ろ信じてますから…」
「俺だけだよー疑ってたのは」
兎に角落ち着かせる為に、敵意がないことを証明してみる。
どうやら“信じてます”は項を奏したようで、彼女のこちらを見る目に警戒はなくなったようだ。
その代わり、金髪さんには「悔い改めて下さい！！」とバッチリ言っていたが。
サラ
「あの、まだ名前聞かせて貰ってませんよね」
「ん？そうだっけ…」
こちらが一段落ついた時、丁度サラさんが金髪さんと話していた。
ええ、ばっちり話してないですよ、金髪さん。
金髪さんは皆に向けて、割と大声で自己紹介を始めた。
ケイジ
「俺の名前は
、警察官やってまーす」
トク
「へー、警察官……ねぇ」
これは意外だった。
かなり重要な職なのに、ケイジさんはさらっと軽く言ってのけた。
見た目からは想像もできない職業だ…やはり見るべきは内面なのかと痛感させられる。
ジョー
「はぁ！？警察！？」
ケイジ
「そうだよー、だからお巡りさんを困らせないよーに…まぁ巡査じゃないけどね」
いきなりのカミングアウトに、今まで黙っていたジョーさんが一番リアクションを見せる。
警察と聞いて、信憑性が浮上したのだろうか、なんにせよ信頼の方へと傾いているのなら良いが。
幸い、その後の会話的に、二人の間では何かしらの信頼が少し生まれたようだ。
サラさんを見ると、カイさんと話している。
双方真剣そうな面つきなのに、エッグベネディクトとか料理の単語が聞こえてくる。
まぁ……特に気になったのはこの位か。
滞りも少なく全員の自己紹介が終わり、残っていた人物の名前も判明した。
バケツの少女はカンナさん、ニット帽の男性はソウさん、クッションの動物少年はギンさん。
一旦カンナさんが落ち着いたところで、彼女の話を聞くことになった。
サラさん以外の人達は周りで距離をとり、サラさんが優しく話しかける。
サラ
「カンナのこと…もっと教えてくれるか？」
カンナ
「はい……」
顔を青くさせ、手は肩部の服を握ったまま離さない。
怯えた様子は抜けきらないが、会話は出来るようだ。
なんとなく、あの二人には姉妹のような雰囲気を感じる。
ふと視線をトクにやってみると、彼女は睨んでいた。
その方向には人が多すぎて、人物の特定は私には出来なかったが。
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