【そらる】どうか、俺を欲しがって２

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それから、なんだか胸がいっぱいでAを抱き締めたままでいると。



「大丈夫、ですか？」

さっきまであんなに余裕の無かったAが、男前なことを言ってきて、思わず笑ってしまう。


「それ、俺のセリフでしょ。」

「だって、彼方さん何にも言わないから。」

もう、恥ずかしいです！と、今度はくるっと後ろを向いて。


「なに、今度は拗ねたの？」

普段はあんなに凛としているのに、こうやって一緒にいると笑ったり拗ねたり。恥ずかしがったり。

全部のAが新鮮で。


俺しか知らない、と思うと胸がいっぱいになって、思わず背中に口付ける。




「彼方、さんっ」


「なーに。」

という間もちょんちょんと口付けていると今日はもう終わりです！なんて言われて。

「でも、」

「でも？」


「なんだか、すっごく幸せで、胸がいっぱいです。」



後ろから見える耳だけで、今顔真っ赤なんだろうなと分かってしまってつられておんなじ事を考えていた俺まで顔が熱くなった。


Aを抱き締めたまま、俺も。と続けて。

「またこうやってのんびりしたり、たまにはどっか遠く行ったりしよ。俺もこんな活動してたり、Aも忙しいけど俺らのペースでゆっくり進んでこ。Aのこと、大事にするから。」



「嬉しい、です。わたし、彼方さんのこと幸せにします！」


なんて意気込んでいるAに、

「よし、じゃあシャワーいこ。」

「へ？」

「汗掻いちゃったから、一緒にシャワーしてから寝るの。ちなみに俺はAといるだけで幸せ。」


突然の誘いと、普段言わないような甘すぎる言葉に、え！え？と戸惑っているAと無理矢理一緒にシャワーを浴びて。


俺と同じ香りのするAとまたベッドに入り、眠りについた。





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