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『はーぁ、明日私に話しかけてこないでね絶対に』

「なんでよ、やだ」

案の定ファンクラブの一人に鉢合わせ
しっかり私を睨んだあと、辰哉にちょっとアピールしていたものの辰哉は気づかなかった

照さんの家に着いて
チャイムも鳴らさず、辰哉が入っていく

fk「ひかるー！！」

iw「あ、辰哉。やっほ〜、お、Aもいるじゃん。俺がそっち行けばよかったけど今日はちょっとアレで、ごめんね」

『…久しぶり』

とある小さなマンションの一室で、彼はほとんど暮らす
筋肉質で強面
背が高くってまだ若い、お兄さんとおじさんの狭間にいるようなその人

彼は、照さんだ

若くもジム経営をしており
そして

iw「今日もかわいいねA、辰哉達に泣かされたりした？」

『してないけど』

iw「おーよかった、彼氏できた？」

『…できない！』

iw「おーよかった、告白されたりした？」

『してない！！！』

fk「ウケる」

『ウケねぇから』

彼は私達姉弟の義父のような存在である
私達が暮らすあの家の家賃を払ってくれたり、学費をちょっとだけ払ってくれたりしているのは彼

いや、正しくは義兄だったと思う

…もともとあの家は、照さんの家族のものだった
私達を施設から引き取った主は、照さんの親だった
でも照さんの親は病気で数年前に他界し
照さんは働く為に交通的な問題で、あの大きな家からこのマンションへ住居を変えた

fk「で、ひかるにおみやげ」

「なにこれ」

『辰哉が選んだタピオカ』

iw「俺料理できない」

『できるって、頑張れ』

iw「A、こういうときに私が作ってあげるから見ててねっていうのがモテるんだよ」

『…はぁ…だからやだっていったじゃん…』

なんやかんやで照さんの好きなタピオカを私が茹でてあげることになって
二人の会話に耳を傾けながらタピオカをもちもちへと進化させていく

ああタピオカ、お前たちはもちもち純粋、ピュアだねぇ

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