死にたがりと暗殺者。【暗殺教室】

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紅い月が浮かぶ夜

彼は、包帯で身を包んだある少女と出会った。

その少女は
まるで無機物かのような意思を宿さぬ紅い瞳で
こちらを見つめると

｢私には、幾千の罪がある｣

と語りだした。

｢罪はどうしたって消えない、だからその罪に似合う幾千の罰を受けなければならない。｣

少女は包帯をスルリと取り
血だらけのその身を露わとさせ
ベッタリと張り付いたような笑顔で問いかけた。

｢だから私は死ななければならない。幾千の罪を重ねた者が世に生きていて良い訳が無いでしょう？｣

体からぽたぽたと垂れるその血は
気味が悪くて、鉄の匂いでむせ返りそうな程なのに
どこか妖しく、美しく映る。

｢けれど、自ら命を絶ったのではただ罪から逃れるに過ぎない。命を絶つのならば、その罪に似合う絶ち方をしなければならない｣

彼女は彼にゆっくりと近づくと
耳元でこう囁いた。

『だからーーー
私を、殺めてはくれませんか？』

紅い月が浮かぶ夜
一人の少女と男は、奇妙な出会いをしたのだった。執筆状態：更新停止中