三 ページ47
「手前、何で此処に来たんだ?」
あの後、姐さんは私達二人の時間を作るとか何とかで、仕事へ戻った
「勧誘されたから」
「勧誘?」
「殺し屋だから」
驚くか怖がる、それか両方の反応をすると思った
「へぇ…」
驚く事も、怖がる事もしない彼に、私が少し驚いた
「驚かないの?」
「驚かなきゃ、いけねェ、のか?」
「何で私に聞くの」
何て面白い子なんだろう。思わず噴き出した
「何時から遣ってたんだ?」
「十歳。もう何百人も殺してる」
「そうか」
彼の反応は落ち着いていて、何故かそれが面白かった
「中也は?殺した事ないの?」
「あァ。でも、これから殺す事になるんだろうな。稽古だってしてるし」
稽古かぁ…した事ないな
最初の仕事では、お兄ちゃんを見ているだけだったし、それからの単独の仕事等は凡てを勘に任せていた
しくじった事はなかった
だから、
「中也って、何で帽子と手袋してるの?」
何気なく効いたそれで、彼は俯いた
「気持ち悪いって、云われたから」
__気持ち悪い?
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作者名:MIA | 作成日時:2017年7月5日 21時