二十 ページ37
「退院できる」
「駄目です」
「何で」
「安静にしていないと傷口が開きます」
「開いても大丈夫」
「大丈夫じゃありません」
先程から云い合っているのは私を担当した医者
手術から二日とはいえ、私の回復力は人並み以上で、自 殺を何度も未遂で終わらせているのだ
中也や太宰、私達の回復力は化け物級とも云える。薬剤耐性まで出来てしまっている始末だ
「兎に角、絶対安静ですからね」
「……」
私が云い返さないのを見て、医者は扉を閉める時まで監視しながら出て行った
…やっと出て行った
「十時か…」
腕の腹部の点滴をぶちっと外し、着替えを始める
何度も入院したけど、相部屋の人がいないって素晴らしい
着替え中、腹に巻かれた包帯をほどき、傷口を見た
「まァ大丈夫か」
傷口は殆ど閉じかかっており、激しく動かない限りは大丈夫だろう
「七階か……うん、行けるな」
鞄から鉄線銃を取り出し、窓の外に身を乗り出した
鉄線銃を撃ち、九階辺りのバルコニーに引っ掛ける
ぐっぐっと引っ張り、ちゃんと引っ掛かったかを確認してから、荷物を抱え、飛び降りた
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作者名:MIA | 作成日時:2017年7月5日 21時