二 ページ20
その後は、仕事の話をした
「流石は最少年幹部」
「私よりAの方が子供っぽいけど」
「今日の作戦半分以上私が考えた」
「当たり前でしょ」
殴りたくなる衝動を抑えて酒を飲む。太宰とは同僚であると同時に喧嘩相手とも云える。喧嘩の内容は大変下らないものだが
「二人共、傷が増えたな」
私と太宰は、お兄ちゃんに云われて躰を眺めた
「Aは脚を骨折と、目と頭の包帯はどうした」
「うん、寝惚けて階段から転けて、寝惚けて歩いてたら電柱にぶつかった」
「太宰は?」
「"不意の怪我をしないために"っていう本を歩きながら読んでいたら、排水溝に落ちた」
後は、車で峠をぶっ飛ばしていて崖から落ちた、とか豆腐の角で頭をぶつけて死ぬという自 殺法を試した、とか、お互いかなり下らない理由で怪我をしていた
「最後の自 殺法何?私もやってみたい」
「豆腐を堅くする為、独自の製法を編み出したのだよ。塩で水分を抜いたり、重しを載せたり…自前の厨房でね。お陰で鍵を打てるほど堅くなったし、組織の誰よりも豆腐の製法に詳しくなった」
もしこの自 殺法で死ねたら、人類で初めて豆腐で死んだ人間と新聞一面を飾れるのではないか。でもマフィアだし跡形もなく処理されるだけだろう
「その豆腐は美味いのか」
お兄ちゃんの質問に、悔しい事に、と顔を顰め不本意そうな顔で答えた
「薄く切って醤油で食べると、物凄く美味しい」
そして、美味いのか、とお兄ちゃんは感心した
「今度食べさせてくれ」
「私も」
「織田作さん、Aさん…今のそれ、突っ込む所ですよ」
聞き慣れた声が入口の方から声がした
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作者名:MIA | 作成日時:2017年7月5日 21時