五十 ページ1
「美味しいですね!」
Aは満面の笑みでエリス嬢に話し掛ける。此奴のこんなにも笑った顔を見るのはいつぶりだろう
再開して、又ちゃんと付き合うって決めた時は微笑むだけだったから、四年振りになる
俺に向けられた笑顔じゃなくて、エリス嬢に少しだけ妬いただなんて、知る由もないだろう
「中也君、お互い羨ましいねぇ」
…首領にはお見通しだった
「そうですね…」
「彼女には戻って来て貰いたいものだ」
その時、首領の真横をナイフが飛んで行き、壁に刺さった
「その口は余計な事しかお話にならないので?私が縫って差し上げますよ?」
「私が悪かったよ」
Aの目は笑っていない。それどころか殺気を出している
Aは気を取り直して口にケーキを食べる。あ、また笑った
Aの餓鬼の様に無邪気な笑顔を見ていると、何故だか満腹になってきた
「食べる?」
「ん?」
Aは一口分に切ったケーキをフォークに刺し、俺の前に差し出していた
「ずっと見てたから食べたいのかなって」
そんなに見てたのか、と恥ずかしさで顔を隠したいのを我慢して、ポーカーフェイスに務める
「貰う」
俺がケーキを食べれば、Aは満足そうな笑みを浮かべた
「エリスちゃん、私にも、あーんして?」
「厭」
「そんなあ!」
「チュウヤ、あーん」
エリス嬢、首領にして上げてください、お願いします
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作者名:MIA | 作成日時:2017年7月5日 21時