キラキラ輝くアイドルに！【明星スバル】 (ページ26)

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星と星の砂上の楼閣ページ26

目覚ましの音が鳴る

ピピピっとなる方へ手を伸ばし当たりを見回した

『今日はスバルこないのかな』

内心ほっとし、胸を下ろした

こんな姿見せられないや

鏡の向こうに写るもう1人の自分はとても見苦しかった

寝不足で頭を殴られるような感覚がして気持ち悪い

『最悪』

ス｢何が？｣

『ひっっ！？』

背後から耳元の近くで声がするものだから変な声が出た

このタイミングなのか。

ス｢Aが起きてるの珍しいね｣

『あ、うん。そうだね。』

ス｢どったの？元気ないね。目も腫れてるし…｣

『……やめて、見ないでよ。』

後ろを向いても前を向いても鏡のせいで自分の顔が見えてしまう。

目の前に写るもう1人の自分はとても酷い顔をしていた

思わず私はその感情を隠すように逃げた

ス｢A！？待って！｣

『来ないで…！！』

ス｢どうして？気に触るようなこと言っちゃった？｣

『……なんでもないから』

ス｢Aはいつも何かを隠してる時になんでもないっていうよね。｣

『…』

図星だ。

嫌でも付き合いは10年以上なのだから、自分の悪い癖を知っていてもおかしくない。

独占欲がいっぱいで嬉しいのに嬉しくない。

好きだから隠したい。

この感情が伝わってしまって、

今の関係が崩れてしまうことを恐れている

私には変わる勇気も辞める勇気も無いんだ

自分の殻に閉じこもったままの雛鳥なんだ

ス｢ごめんね。俺はどうしてAが泣いてるのか分かんないけど…｣

『いいよ。何も言わなくていい。』

ス｢うん。｣

『ありがとう、心配してくれて。』

私には1歩踏み出す勇気がない。

『私、アイドル辞めるね…！！夢ノ咲も中退する。』

ス｢……え？｣