2. 有無 ページ23
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「 僕はこれで!ハイ! 」
「 あ、ハーイ… 」
わたわたと都築くんは教室を出て行った。
結局あの子は何がしたかったんだろうな。
「 で、京治くんはどうしたの 」
後ろで凄い形相をしてたらしいので
ご本人にそう聞くと目の前の京治くんは
前から私の片方の肩にポスト頭をあてた。
「 え、ほんとにどうしたの 」
「 俺だってするよ 」
「 何を 」
「 だから、俺だって嫉妬くらいする 」
普通の男の子より高身長の京治くんは
きっと私の肩に頭を寄せるだけで、
少しキツいかもしれないけど。
こうやって甘えてくれるというか
素直に言葉に出してくれるのは
安心できた。それも、優しさ。
「 …ごめんね 」
「 うん 」
「 でもちゃんと一番だよ 」
「 俺もAが一番だよ 」
教室の隅で何してるんだって感じだけど
これが私達なりの形なのかな、なんて。
まぁ、そんな時間は長くもなくて、
気づいたらクラスメイトみんな見てて。
「 赤葦!!!!????? 」
「 抜け駆けズリーぞ赤葦! 」
「 赤葦くん!!、?はい!!!? 」
「 赤葦くんと青木ちゃん!!? 」
「 青木ちゃ、ん、え? 」
「 お''れ''た''ち''の''青''木''ち''ゃ''ん'' 」
そりゃ、驚くよね。ついこの前までは
苗字呼びでただ話してただけなのに。
急にここまで近くなったら、ね。
仕方ないよな…なんて思いながら
クラスメイトの叫びを聞いていたら
京治くんが肩から頭を起こして。
気づけば私の後ろに立って私の頭に
顎をトン、とのせていた。あれ。
「 取らないで下さいね俺の青木さんなので 」
「 あー、敬語だ赤葦くん 」
「 乗らないで下さい青木さん 」
「 赤葦くんが先でした〜! 」
取らないで、なんて言われたら少し
恥ずかしいというか嬉しいというか。
久しぶりに京治くんの敬語や青木さん
呼びを聞いて懐かしく感じたりもした。
最後は二人で笑っちゃったけど。
「 くそ、、幸せになれよ、、 」
「 青木ちゃん達お似合いすぎて無理 」
なんだか結婚前の人みたいだな。
なんて思いつつ、京治くんの方は
どうも、なんて言っていた。
これも、アリかな。
○
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猫だと被る。じゃあどうしろと!?(プロフ) - 赤葦を書いてくれるとか神ですか?そうなんですね!?ほんと、顔がずっとにやけてます。ありがとうございました (2020年8月29日 6時) (レス) id: 96098a2a12 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃぴ | 作成日時:2020年5月9日 23時