9. まだ ページ20
○
「 青木さん、来てくれてありがとう 」
「 いや、私こそ教えてくれてありがとう 」
落ち着くな、この会話というか雰囲気。
同じクラスになってから思ってるよりも
時間が経ってるけどここまで赤葦くんと
仲良くなるとも思ってなかったな。
「 あ、試合この後だよね、頑張ってね 」
「 …ありがとう 」
赤葦くんが笑った。別に笑わない訳でも
無いけどちょっといつもより、
「 可愛い 」
「 え? 」
「 あ…いや笑った顔、可愛いなって 」
「 ごめんね!カッコイイって言う方がいいね! 」
「 別に青木さんから言われるならなんでも 」
「 え 」
可愛いなんて不意に出た言葉で、男の子は
カッコイイって言われる方が好きなんだよね
っていうのも知ってて。だから言い直すか
忘れてくださいって言おうとした。けど。
「 それって、どうい…「 まだ 」 」
「 まだ、言えない。だから今は 」
「 どんなに凄くても俺だけ見てて、青木さん 」
「 …うん 」
まだ。その言葉でストンと落ちた。
気付かないふりをしてた。それも無理。
だって好きなんだもん、赤葦くんが。
もう、自覚したら一人しか見えない。
一人でドキドキしてばっかり、だなぁ…。
「 じゃあ、俺試合行ってくるね 」
「 …うん、頑張って赤葦くん 」
赤葦くんはそう告げてコートへ走った。
その姿は普段の赤葦くんとは違って、
バレーをする事が楽しいって感じだった。
カッコよくて、繊細な動きで、無駄が無くて
メンバーのこともよく見ていて頼りになる。
あぁ、好きだな、大好きだなぁって思って。
気づいたら誰もいない所で呟いていた。
「 私、赤葦くん大好きじゃんかよ、 」
と。
○
72人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫だと被る。じゃあどうしろと!?(プロフ) - 赤葦を書いてくれるとか神ですか?そうなんですね!?ほんと、顔がずっとにやけてます。ありがとうございました (2020年8月29日 6時) (レス) id: 96098a2a12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:にゃぴ | 作成日時:2020年5月9日 23時