密かな期待 ページ47
『スガさんは私の事、…どう思ってるんですか』
小さく絞り出した声が震える。それでも私は彼の目を見つめる。小さな反応も見逃さないように。
自分でも訳の分からない質問をしているってことは自覚している。こんなことはスガさんにとって普通なのに。
それなのに、
期待をしてしまってるんだ、私は。
「俺は波羅野のこと、"ただの後輩"じゃなくて
"可愛い後輩"だと思ってる。そんな感じ」
『…え？あ、え？…そ、そうです、か…』
黙りこくっていたスガさんの口からは、予想もしない言葉が飛び出てきた。
そうですかなんて言ったものの、私の頭にははてなマークが10個くらい並んでいた。
"ただの"後輩じゃなくて"可愛い"後輩とは…？
可愛いって妹みたいな…？
そんな感じとは…？
私告ってないのに振られた…！？
頭がパンクしそうになっている私に、スガさんが声をかけた。
「…遅くなったらまずいし帰んべ！」
『…帰りましょっか…』
それからの会話は放心状態だった為覚えていない。
唯一覚えているのは、歩いている途中にご近所さんが飼っているゴールデンレトリバーのジョンに飛びつかれて腰を打ったことだけだった。
*
悩みに悩みまくった私は、2日後の部活で清水先輩含む3年生達に相談してみることにした。
ちなみにスガさんは今日は日直らしく、日誌を書いていて部活に遅れるそうだ。
『…あの、皆さんは、"ただの"後輩と" 可愛い"後輩、…何が違うと思いますか？』
私の問いかけに、3年生は頭をめちゃめちゃ抱えていた。
「…ただの、後輩…可愛い、後輩…言い回しの違い…？」
「自分が普通の後輩よりどれだけその人を好きかどうかの違い、とかか？」
「そんなの誰に言われたの？
…もしかして、スガ？」
思いもよらぬ時に旭さんに図星をつかれた私は『ゔぁ』と短く悲鳴をあげる。
顔に熱が集まる私を見て、旭さん以外の清水先輩、澤村先輩は察したように頷き始めた。逆に聞いた側の旭さんはあたふたしていた。
「そうかぁー！なんか進展あったんだな！」
「え、え！？そうだったの！？波羅野スガのこと…！？いつから！？」
「澤村が嬉しそう。お父さんて感じ」
『…やっぱり、スガさんは私なんか相手にもしてないですよね…』
何となくつぶやいた私の言葉に、澤村先輩が「いや、案外違うかもしれない」とまさかの否定の言葉を被せてきた。
『えっ…！？教えてください澤村先輩…！
…いや、大地さん！！！！』
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さく。(プロフ) - 千春さん» 最初の方にも記載してある通りこの作品はパラレルワールド的なものなので初期の頃にいなかったキャラも最初から存在しています！ (2022年2月20日 16時) (
レス) id: f74e653649 (このIDを非表示/違反報告)
千春(プロフ) - 入学の時って旭さんいないんじゃないでしたっけ (2022年2月20日 16時) (レス) @page13 id: b4c1430361 (このIDを非表示/違反報告)
さく。(プロフ) - 夏雨さん» ありがとうございます…！亀更新ですが何卒よろしくお願いします…！ (2021年5月15日 12時) (レス) id: beaf68d78a (このIDを非表示/違反報告)
夏雨(プロフ) - 菅原さんとの絡み方大好きです！更新頑張ってください！ (2021年5月14日 9時) (レス) id: 1f12b442c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さく。 | 作成日時：2020年9月1日 23時
