メイク ページ35
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「クララ、メイクできるの?」
「…できる!」
「その自信はどこからくるんだ…」
とりあえずは、クララの頑張りに任せ何も手を出さないでおこう。待ってるね、と先に教室に戻る。
窓を開けたおかげか、異臭はほとんどしなくなっていた。
よかった、と胸を撫で下ろす。
教室に入った途端、怪訝な顔を浮かべたアズくんがいきなり詰め寄ってきた。
「おいウァプラ、あのアホは一体何をしているのだ」
「なにって、授業の課題に取り組んでるだけ」
「あれがか? ただふざけてるようにしか見えんが」
「クララだって分からないなりに頑張ってるの。そんな言い方しないで」
「だがっ……いや、すまない」
随分しおらしい。
まぁ、アズくんも非があれば素直に認めるいい子だし。
何より、入間くんが近くにいる。それが反省せざるを得ない大きな決め手となったんだろう。
「A、クララはどこに?」
「次の方法に取り組んでる」
「次は何を…」
と入間くんが言いかけたところで、教室の扉が開いた。
もうメイクを済ませたのか、と感心し振り向き、驚愕した。
不自然なほど白い肌に真っ赤な口紅、濃いチーク、ベタ塗りのアイシャドウ。
厚化粧の度を越している。
皆クララの顔を見た途端、お腹を抱え笑い始めた。
「最高!」
「壊滅的だな」
「いや、これはこれで…」
「え?」
なんと、クラスメイトの輪の中にアズくんも混ざり、こっそり笑っていた。
珍しい、とか思っている場合じゃない。
再びクララを輪の中から引っ張り、教室の隅まで連れ出す。
「私、なんかおかしかった?」
「ううん。でも、クララは他のメイクの方が似合うかも」
「そっかぁ…誘惑って、難しいね」
5回続けて失敗しているんだ。
そりゃ、自信もなくしてしまうか。
メイク落とし用のシートでクララの顔を拭き、気づく。
拭いても拭いても、おしろいが中々落ちない。
「クララ、これ何のおしろい使ったの?」
「水で顔洗ったあと、白い絵の具で塗った」
「え、絵の具!?」
なんて事だ、と頭を抱える。
気合いで拭き取ったあと、クララに先程使ったメイク道具を一式を並ばせ、説明した。
「メイクをする前に、必ず化粧水と乳液を使って保湿をする! 馴染んだあと下地を塗ってファンデに入る。その後にコンシーラー…いや、クララ肌綺麗だし必要ないか。最後にパウダーつけて、肌の土台作りは終わり。絵の具は一切使わない。メモしたあと、実践するよ!」
「らじゃー!」
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ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、精進します!·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠。⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.。*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました!!更新も楽しみにしてます! (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペグ | 作成日時:2024年1月30日 22時