誤解 ページ33
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教室に入ってきたのはアズくんだった。
アズくんは一瞬ピタリと固まったあと、気まずそうな表情をしながら扉を閉めようとした。
急いで扉を掴み抵抗する。
「すまん、タイミングを間違えたな…」
「ち、違う！ 違うのアズくん！」
「気にしなくていい。誰にも言いふらしたりはせん」
「違うってば！ ちょ、力強いな君ほんとに…！ おいこら話を聞けアスモデウス！」
腕力を駆使し、閉まりかけていた扉をなんとか開けることができた。
それでも逃げ出そうとするアズくんの服を引っ張り、数分かけてようやく留まらせることができた。
「…なんだ、授業の課題だったのか」
「課題じゃなかったら、進んであんなことしないよ」
「普段から"私なんて"ばかり使う貴様に、改善できるのか？」
「うそ、そんな言ってる？」
「かなりの頻度でな。自覚ないのか？」
「あったけど…そんなに言ってるとは思わなかった」
改善できるとは思えない。
私もそう思う。けど、せっかく自分の欠点と向き合う機会ができたんだ。ここで頑張らないと、私は逃げ続ける臆病者になってしまう。
しかし、やはりアズくんからの言葉はショックで。
図星をつかれてしまうのは辛いな。
俯く私に、アズくんは何故か焦ったような声を上げた。
「し、しかし己を見つめ直す良い機会ではないか。応…」
と言いかけ、アズくんは固まった。
「おう…何？」
「…なんでもない」
「はぁ〜？ ここまできてそれはないでしょ。何言おうとしたの？」
「うるさい、忘れろ！」
若干、予想はついている。
しかし照れ屋な彼のことだから、直前で恥ずかしくなったんだろう。
顔を赤くするアズくんは、なんだか新鮮で。
常に怒られてばかりだったので、てっきり嫌われてると思っていたが、案外そうでもないのかもしれない。
「頑張るよ。応援ありがとね」
「………ん」
どうやら合っていたようだ。
なんだろうな、これは。あぁ、あれだ。
反抗期中の息子がデレてきた時の嬉しさ。そういうのに似てる。
母性本能を擽られるとはこういうことなのだろうか。
なんだかアズくんが一気に可愛く思えてきた。
「……あぁ、そうだ。入間様を見なかったか？」
「入間くん？ 見てないよ」
「そうか…だとしたら、ウァラクと一緒にいるのか…？」
「そういえば、クララも授業が終わったっきり見てないや。一緒に探しに行く？」
ん、と頷くアズくん。
ますます反抗期中の息子に思えてきた。
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ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます！ご期待に添えるよう、精進します！·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (
レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠｡⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.｡*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました！！更新も楽しみにしてます！ (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペグ | 作成日時：2024年1月30日 22時
