誘惑授業 ページ31
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授業当日。
気恥ずかしい思いをしながらも席に着く。
大人っぽいエリーはともかく、大人しいケロリちゃんが参加していたことに驚いた。
「ドキドキするね!」と無邪気な笑顔を浮かべるクララ。
私はぎこちない笑顔をうかべることしかできなかった。
香を焚いているのか、甘ったるい匂いが鼻を刺激する。
やっぱり座学にしておけばよかった、と少し後悔をした時。ショートカットがよく似合う、スタイル抜群で色気の漂う女の人……ライム先生が来た。
「誘惑授業の講師、サキュバス族のライムよ」
なんだかいけないものを見てる気がして、そっと目線を逸らす。
「まず、色気とは育てるもの。サキュバスは相手好みに姿を変えるけれど、最も重要なのは相手を落とす
キャー! と黄色い声が上がり、クララは必死にメモを取る。「夜のですか?」と質問が上がるなど、いかにも女子のノリ、という感じだ。
上手くとけ込めなくて、爪をいじりながら時間を潰す。
だから、同じクラスのカムイくんが紛れ込んでいたことなど、まったく気がつかなかった。
「異議アリ! 低学年より濃厚な授業を実践していくことで能力の向上を…」
と物凄い勢いで抗議するも、ここは男子禁制だ。
ライム先生の手により、カムイくんは簡単に追い出されてしまった。扉越しにまだ訴えかける声が聞こえるが、ライム先生は無視を貫き通した。
「テキストを配る前にみんなの魅力度を測っていくから、順番に並んでね〜」
ライム先生が順番に魅力度を測っていく。
「エリザベッタ89%! 素晴らしいわ! テキストAね!」
これには納得だ。エリー本人も嬉しそうに微笑む。
対してケロリちゃんは51%。テキストBと評価されていた。
彼女は眼鏡で隠れてしまっているだけで、近くで見ればものすごい美人だということに最近気がついた。
本来ならばエリーと同じくらいあってもいいはずなのに。
ケロリちゃん本人も低めという評価に落ち込んでいた。
「そんなに…」
「大丈夫よぉ。過去最低は21%! それに比べれば…」
と、ライム先生がクララに目線を向けた時。
何故か突如、硬直してしまった。
青い顔のままライム先生は数冊のテキストブックをクララに渡し、物凄い形相で詰め寄った。
「ベイビーちゃん! あなたは特別テキスト。しっかり読んでね」
「らじゃー!」
「あれだけのテキストがあれば大丈夫……次は、あなた!」
とうとう私の番がきた。
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ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、精進します!·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠。⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.。*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました!!更新も楽しみにしてます! (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペグ | 作成日時:2024年1月30日 22時