飛行試験 ページ4
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怪鳥を避けながら先を進む。
誰も来ない…と思っていたが、後ろから追いつき抜かしてきたのは首席、アスモデウスくん。
首席なだけあって、差を開かせないようするのが精一杯だった。
「今のところ追いついているのはウァプラだけか…入間様はスタートで出遅れてしまわれたようだが…」
と心配そうに後ろを振り返るアスモデウス。
気づいていないのか、そんな彼の背中には、女の子が乗っていた。たしか…ウァラク・クララ、のはずだ。
「入間ちならなんとかなるよ!」
「まぁ、それはそうだが…」
と、ようやく違和感に気がついたのか、アスモデウスくんは背中の方に目をやる。
「貴様そこで何をしている!?」
「スタートの時にね……乗ってた!」
「説明に飽きるなッ!!」
スピードが落ち、バランスが崩れている。
今がチャンスだ。
「ごめんけど、さき行くね」
「待て! ………?」
ん? とアスモデウスくんの視線を辿る。
何やら金色のものが金剪の谷へと向かっている。
「あの金色…サブノック?」
という言葉を聞き、先程ブーイングを上げていた彼の名前を知る。アスモデウスくんに視線を戻し、ある事に気がつく。
「あ、まってそこ危ない……」
といいかけるも、時すでに遅し。
クララの胴体が気に絡まり、足止めを食らっていた。
ガクン、と体制を崩し怒鳴る2人を置いて、私は先を進んだ。
先へ進めば進むほど、怪鳥たちが襲いかかってくる頻度が高くなっている。
しかし、攻撃するなどできない。
避けていれば実害はないし、何より心苦しい。
鳥の足に引っかかりそうになりながらも、なんとか谷をくぐり抜け、一位を獲得____の予定だったのに。
「遅かったな、ウァプラ」
「Aおそーい!」
何故かもう既に、アスモデウスくんとクララが先着済みだった。A呼びに一瞬戸惑うも、「2人とも早いね」、となんてことない様子を見せる。
首席を舐めていた。
足止めを食らってもなお一位を撮るとは。
その実力は伊達じゃない。
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ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、精進します!·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠。⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.。*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました!!更新も楽しみにしてます! (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペグ | 作成日時:2024年1月30日 22時