嫌い ページ17
．
「そんな風に、いつまでも過去のことを引きずらないでくれますか」
「はぁ？ 元はといえばアンタが＿＿＿」
「私には、サリバン様や入間様という大切な主人がいます。もう貴方だけのSDじゃないんですよ」
分かってる。でも、そうじゃない。
私は、何も言わず勝手に去ったことに怒っているだけ。
他の人のSDになったからとか、そんなんじゃない。
ていうか元々、オペラさんは私のSDじゃないし。
恩人とSDを履き違えてないか？
まだこんな事を考えるくらいの余力はあったが、オペラさんの言葉によって、粉々に打ち砕かれた。
「過去に執着するのはやめてください＿＿＿＿迷惑です」
頭を殴られたような衝撃が走る。
私はこのひとに、何を期待していたんだろう。
心のどこかで、喜んでくれるんじゃないかと思っていた。
久しぶりですね、と優しく抱きしめてくれるかも、と期待をしていた。
元気ですか、ちゃんとご飯食べてますか、あの時はごめんなさい。
そう言われれば、私は笑って許したはずだ。
ただオペラさんに会いたい一心で、苦手な勉強を必死にして、錬金術だって他の悪魔の家系能力に劣らないよう磨きをかけて。
全部、オペラさんのために。
今までいっぱい努力して、頑張ってきたのに。
なのに、「迷惑です」の一言で終わらせるのか。
……そんなに、私が嫌いなのか。
突き放された悲しみはやがて怒りへと変わり、俯いた顔を上げ、オペラさんと目を合わせる。
殴ろうと思った。けど、やめた。止められることが分かっていたから。
抵抗として、握りしめていた鞄を、オペラさんに向けて思いっきり投げた。鞄はオペラさんのお腹辺りに衝突し、ボトッと地面に落下した。
鞄を拾う気力は、私にはもうなかった。
じんわりと熱くなった目頭を抑えるのに必死だったから。
「迷惑です｣という言葉が脳を埋め尽くすうちに、気づけば涙が頬をつたっていた。
オペラさんがどんな反応をしているのか見れない。
顔を見たら、きっともっと泣いてしまう。
背後から「オペラさーん」という入間くんの声が聞こえるし、そろそろ去らなくちゃいけない。
「あれ、A？ どうしてここに…」
「入間様、少しお時間を」
「……オペラさんなんて」
震える喉、流れ続ける涙。
こんなに情けない姿を、これ以上晒したくない。
しかし、このまま黙って去るのは悔しい。
最後に力を振り絞り、喉が張り裂ける覚悟で叫んだ。
「オペラさんなんて、大っ嫌い！」
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ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます！ご期待に添えるよう、精進します！·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (
レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠｡⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.｡*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました！！更新も楽しみにしてます！ (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペグ | 作成日時：2024年1月30日 22時
