仮説 ページ12
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天使には、悪魔と違った特徴がある。
1つは、頭の上に光の輪があること。
2つ目は、羽が白く、羽毛を纏っていること。
そして3つ目は、丸みの帯びた耳。
その特徴を踏まえた上で、じっと入間くんを見つめる。
入間くんには角がない。だからといって、光の輪もない。
別に、角のない悪魔なんてたくさんいるし、そこは問題ない。しっぽだって、隠している人もいる。
しかし、彼の耳は丸い。尖っていないのだ。
少なくとも、今まで耳の丸い悪魔に出会ったことは無い。
それに、天使は天界から追放されれば、光の輪を折られると、昔父から聞いたことがある。入間くんの羽だって見たことがない。
ますます仮説の信憑性が増す。
「…あの、A?」
「どうして、魔界には存在しない花…桜の花を、入間くんが知ってるの?」
「えっと…それは」
入間くんは言葉を濁らせる。
口をごにょごにょと動かせながら俯き、何も喋らなくなってしまった。と思いきや、入間くんは問い返してきた。
「逆にどうして、Aは桜を知ってるの…?」
なるほど、そう来たか と目を見開く。
慎重になるのも無理はない。魔界では、悪魔じゃないものは異端者同然なのだから。
「……私は、天使と悪魔のハーフだから」
「えっ…?」
「桜の花は天界にしか存在しない花。だからサクラを知ってるの」
唖然とする入間くん。
意を決して、疑問を投げかける。
「あのさ……入間くんも、堕天使だったり、するの?」
「えっ、だ、だてんし!?」
「だって入間くん見たところしっぽないし、耳の形が丸いし。天使の特徴と一致してて…」
「ち、違う違う! さ、桜の花は昔おじいちゃ…理事長から教えてもらって!」
「……うそ」
がっくり、と肩を落とす。
確かに、理事長なら桜の存在を知っていでもおかしくない。天界にまつわる書物か何かを読んでいたのを、入間くんに教えでもしたのだろう。
なら私は、本当に無駄な時間を過ごした。
というか、やらかした。自ら存在をバラしてしまうという失態をおかしてしまうとは。
「天使は、本当にいるの?」
「悪魔もいれば、天使もいるよ……あぁ、やらかした…」
「えっと…ごめん」
「いいよ、私の勘違いなんだから」
「でも、何かお詫びを…」
優しいな、入間くんは。
お詫びなんて別に…と喉元まで出たところで止まる。
「……ねぇ、入間くんとこのSDさんって、なんて名前?」
「え、オペラさんのこと?」
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ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、精進します!·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠。⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.。*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました!!更新も楽しみにしてます! (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペグ | 作成日時:2024年1月30日 22時