桜の花 ページ11
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誰もが凝視する中、クララは少し間を置いた後、植木鉢を制服の中に隠した。
入間くんがおずおずと近づきながら、「今 何か…」と、先程の物体を確認しようとする。
「居ぬ! 何も居ぬ!」
クララは精一杯隠そうと必死だった。
しかしそれは無駄な抵抗で、「オイッ、こっちなんか変なもん出たぞー!!」と周りにジャズくんが呼びかけた。
そのお陰でスージー先生にまで伝わり、花を出すことになっていた。
「なんだコレ!?」「やべエ!」「なんで鳴いてるのかしら」と首を傾げる周りの生徒とスージー先生。
「どう魔力を込めたらああなるのだ...」
アズくんは呆れながらクララに問う。
「バーンとやったらギャーとなってドバーン」
と、照れながら顔を覆い説明するクララ。
「いや微塵もわからん。なぜ照れる」
「ズドーンではないか?」
「ドバーン!」
「擬音しかないのか」
「あれはあれで高評価得そー……ね、入間くん」
「クワンックワンッ?」
と振り返った瞬間、入間くんは呪文を唱えた。
ここまでは良かった。なんの花を咲かせるのだろう、と期待していた。
しかし入間くんが呪文を唱えた途端、芽が突然光だした。
何事だ、と目を見張った瞬間、ズルっ、と瞬く間に木の幹が伸び始めた。
物凄い速度で成長し、木はとうとう天井を突き破った。
ドゴッ、という大きな音と強い振動に巻き込まれ、天に放り出された。
死を覚悟したが、入間くんの咲かせた花に引っかかり、なんとか助かった。
そして、あることに気づく。
ピンクのふわふわとした大きな花。
魔界には存在しない、天界にしか存在しないはずの花。
これは___桜の花だ。
なぜ入間くんが天界の花を? どうして知っている?
と数々の疑問が湧き出てくる。
そして、あるひとつの仮説に行き着いた。
「入間くんも天界を追放された身ではないか」と。
魔術授業終了後、急いで入間くんを呼び止め、話をすることにした。
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「ど、どうしたのA?」
「あのね、さっきの花のことなんだけど」
微かに動揺の反応を示したのを、私は見逃さなかった。
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ペグ(プロフ) - あまねさん» あまねさん、コメントありがとうございます!ご期待に添えるよう、精進します!·͜· ꕤ︎︎ (5月10日 16時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - 好きですぅぅ (5月9日 9時) (レス) @page45 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
ペグ(プロフ) - めぇちゃりおる.⁠。⁠*⁠♡さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!多忙期により更新が不安定ですが、暖かい目で見守ってください₍ᐢ‥ᐢ₎ ♡ (2月15日 15時) (レス) id: a660ffe1a2 (このIDを非表示/違反報告)
めぇちゃりおる.。*♡ - この作品読んだ瞬間お気に入りになりました!!更新も楽しみにしてます! (2月15日 14時) (レス) @page26 id: 094e17a662 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ペグ | 作成日時:2024年1月30日 22時