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君が、中也…? ページ4

そうして、5分が過ぎた頃だった。

「…おちついた、か?」

「うん、御免ね。」

涙を拭いて立ち上がると、彼が裾を掴んだ。

「如何かしたの?」

「ひとのために、ないてやれるのか。」

中也の問いに、Aは何の躊躇いも無く云った。

「私は相手が好きなら、ずっと、相手の悲しみが尽きるまで泣いてあげるよ。もう良いって云う位。」

「…そうか。」

すると、彼はAの手を握って云った。

「てめぇはいいやつだな。おれは、てめぇのことがすきだ。」

「…え?」

「おれはなかはらちゅうや。てめぇ、なまえはなんだ?」

「えっと…A、です。」

困惑するAを他所に、中也はにこにこと笑う。

「Aだな!!おぼえた!!」

「あ、あはは…」

少し元気過ぎやしないか。

「君…」

云い掛けて、中也に止められた。何かと思い尋ねると、彼は少し不機嫌そうに云った。

「…なまえで、よんでくれよ。」

「判ったよ、中也。」

恥ずかしさを堪えて名前を呼ぶと、中也は嬉しそうに笑った。

「A、おれはてめぇがすきだ。だから…おれがおとなになったら、おれとけっこんしてくれ!!」

「…ん?あ、うん。勿論良いよ。結婚しようね。」

否定したら大泣きされそうで怖い。勿論こんな事を大人の中也に云われたら絶対に卒倒する。

「中也は可愛いね。」

「…?Aのほうが、かわいいだろ?」

一体何処でこんな殺し文句を覚えるのか。ふと時計を見ると、会議の時間が迫っていた。

「やばッ!?ねぇ中也、此処で待てる!?」

「…おれ、Aとはなれたくねぇよ。」

其れはそうなるだろう。幼児なのだから当然だ。

「嗚呼…そっか、御免ね。」

今にも泣きそうな表情をするので、罪悪感で押し潰されそうになる。

「会議休むか…いや、駄目か…。今日は私の報告が無いと進まないし…」

会議、どうする…?→←…何なの、此の光景。



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設定タグ:文スト , 幼児化 , 文豪ストレイドッグス   
作品ジャンル:アニメ
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もも(プロフ) - 七巳流さん» ありがとうございます!! (2022年8月3日 12時) (レス) id: 2c3a67174c (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 完結おめでとうございます、楽しかったです、読んでいて。 (2022年8月3日 12時) (レス) @page11 id: 625ec01e21 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もも | 作成日時:2022年7月28日 23時

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