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場所は代わりヨコハマの街中。
私達は探偵社への道を三人で歩いている




「此れから向かうのは、
其の仕事を紹介してくれる保証人さんの処だよ

必ず君の事を気にいると思う」


「其の仕事って…」



私は敦君に被せる様に云う




「着いてからのお楽しみ。
まあ一寸した試験は有るけど」


「えっ試験!?」


「敦君、字書ける?」


「読み書きは一応…」


「なら大丈夫だよ」




まあ最低限読み書きさえ出来れば報告書は書ける
其の他は事務員さんが遣って呉れるし




「君なら大丈夫だ。私達が保証する」


「感謝します!」


「はっはっは、私達に感謝し給え!」


「私達に任せていれば万事大丈夫!」


「何故なら私達は太宰。
社の信頼と民草の崇敬を一身に浴する
者達なのだから」


「こんな処に居ったか太宰共!
此の包帯無駄遣い装置共が!!」




敦君からの厚い信頼を勝ち取らんとした其の瞬間
聞き慣れた怒号が私達の心を抉った




「く、国木田クゥン?」


「今の呼び名遣るじゃないか…」




包帯無駄遣い装置か…
そんなに無駄遣いしてるかな




「社の信頼を一身に浴する者達だ!?
お前等が浴びてるのは
文句と呪いと苦情の電話だ!!」


「えー、私達が何時苦情なんか受けたのさ」




そう兄さんがそう云うと
国木田君は真顔でお馴染みの手帳を取り出した




「八月某日入電。
『御宅の社員さんが海岸の漁業網に
引っ掛かってるんだけど引き取ってくんない?』

九月某日入電。
『ウチの店の前で何だか宗教勧誘みたいなのしてるの御宅の同僚さんでしょ。
迷惑なんでやめさせてもらえない?』

同月某日入電。
『ウチの飲み代のツケちゃんと払って下さいね!
半年分です』」




腰は引け、私達は後退りする
手から汗は吹き出し奥歯はカチカチ音を立てた

そ、そんな……そんな莫迦な




「「国木田君がこんなに
モノマネが上手いなんてェェ!」」


「貴様等ァァ!
人を愚弄するのも大概にしろォォ!!」

終わり ログインすれば
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はなを(プロフ) - みつばちさん» コメントありがとうございます!そう言ってくださり嬉しいです! (2019年8月9日 1時) (レス) id: e980c2186f (このIDを非表示/違反報告)
みつばち(プロフ) - すごく面白いです!更新頑張ってくださいね(^_−)−☆ (2019年8月9日 0時) (レス) id: f3e59d4450 (このIDを非表示/違反報告)
はなを(プロフ) - ルルナナです!さん» ありがとうございます!コメント本当に嬉しいです! (2019年8月7日 21時) (レス) id: e980c2186f (このIDを非表示/違反報告)
ルルナナです!(プロフ) - 更新頑張ってください!楽しみにしてます! (2019年8月7日 20時) (レス) id: f75b5a5c4e (このIDを非表示/違反報告)
はなを(プロフ) - 銀桜さん» コメントありがとうございす!是非頑張らせていただきます! (2019年8月7日 18時) (レス) id: e980c2186f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなを | 作成日時:2019年8月7日 11時

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