検索窓
今日:8 hit、昨日:12 hit、合計:51,700 hit

ページ9







私は部屋に戻り、途中だった解析を再開する
だが矢張り進展は難しい

一連の件を企てた組織の名前、頭目は判った


“砂の砦”。マフィアの傘下に入っていない
ヨコハマの犯罪組織だ

頭目の名は三好達治
マフィアに比べれば小さな組織だが
横に広い繋がりを持っている

砂の砦の本拠地、構成員の数、戦力
有事の際の隠れ家全て抑えてある


然し未だなのだ。
其の砂の砦を操っている組織が判らない


此の盗聴器は本当に精巧なもので
逆探知が非常に難しかった

こンな高度な技術を持つ者も、買う力も
砂の砦には無いのだ

考えられるのは一つ。
何者かがこれを提供し、代わりに
マフィアの内情を探らせていると云うもの

今其れを調べているのだが全然足がつかない
辿り着いても偽装(フェイク)ばかり


此れは有言実行、徹夜かな…




「失礼するよ」




そンな時、ノックが聞こえ鴎外さんが入って来た




「解析は如何だい?」


「如何もこうも無いです」




そう云って私は計算機(パソコン)の画面を見せる。
其処には何十回も逆探知、超電行(ハッキング)した
画面が有った




「矢張り後ろに居るとは思っていたが
此処迄梃子摺る相手とはね…」


「用意周到な奴ですよ」


「異能は未だ使うかな?」


「否、もう大丈夫です」


「其れではA、異能を解除しなさい」




そう鴎外さんが云うと
藍色の文字の羅列が出てきて、パンと破裂する




「後何れ位掛かるね?」


「少なく見積もっても明日の朝ですね」


「云った側から徹夜かい?」


「しょうがないじゃないですか
…嗚呼そうだ」




私はそう云うと机の端に置いていた
今日の報告書を鴎外さんに渡した

逆探知など機械に任せている隙間時間に
仕上げて置いたのだ




「はい、此れ今日の分の報告書です。
サインお願いしますね」


「…君は本当に、否何でもない」




鴎外さんは何故か呆れた風に云い淀んだ。
そして少し微笑み

『無理は禁物だからね』

と云って部屋を出て行く


…机には一杯の紅茶が置いてあった

茶会→←陸



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
392人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

(プロフ) - 15ページ 中也君な ではなく 中也君の ではないでしょうか?  (2021年5月24日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ザック - 面白かったです。ミステリアスで、文も読みやすかったです。ありがとうございました! (2020年1月8日 19時) (レス) id: fc99185244 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - あれ?なんでだろう、目から塩水が (2019年8月12日 12時) (レス) id: 610253a17e (このIDを非表示/違反報告)
はなを(プロフ) - 幸人さん» コメント、そしてお気遣いありがとうございます!これからの展開にどうぞご期待ください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: e980c2186f (このIDを非表示/違反報告)
幸人 - とっても面白いです。無理をしない程度に更新頑張ってください。 (2019年6月21日 8時) (レス) id: fa5f2782df (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はなを | 作成日時:2019年6月17日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。