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「……此れは全て、君の企みかな?」




Aの居なくなった後
異様に冷たい声が届く

矢張りAは鴎外殿に話さなんでいたか




「偶然じゃ本当に。
Aから『観覧車に乗りたい』
と聞いた時は(わっち)も驚いた

然も寄りにも寄って観覧車とは愛いのう」




そう笑うと鴎外殿の目は一層冷たく私を刺す




「……君は確か
六年前のあの事を知っているね」


「…嗚呼」


「なら何故こンな事をするのかな」




初めてじゃな。鴎外殿の真の言葉を聞いたのは
…矢張りあの事が全ての引き金が

じゃがのう




「六年、六年経った。もう良かろうに
Aはもう大丈夫じゃ

信じて送り出してやれ」




鴎外殿の六年に渡るAへの軟禁は
全てAへの純粋な愛によるもの

一見歪んだものにも思える其れは
親の愛そのもの




「駄目なのだよ紅葉君。何故ならAは____」









◇◆◇









「失礼します梶井君。秘書のAです」




分厚い合金製の扉を叩きそう云うと
笑い声と一緒に扉が開いた




「ウハハハハハハッ!
我が宇宙大元帥の使徒、藍の女神殿ではないか!
此の化学の申し子に何の御用かな?」



何度話しても此の独特な彼の空気は慣れない
と云うか何なのだ藍の女神とは




「……鴎外さんから出撃の指令が出ています
決行は明後日。中也君と組んでもらいます」


「ウハッウハハハハッ!
明後日!何と急遽!流石宇宙大元帥!!」




と大声で叫びながら檸檬を取り出すものだから




「ちょ、此処で爆破は止めてください」


「む、女神の云う事ならば控えよう」




間合いが掴み辛い…
梶井君は変則的(イレギュラー)過ぎて話し辛いな




「標的ですが、砂の砦と呼ばれる犯罪組織です。
先日砂の砦は殲滅したと______


「仰せの儘にィ!!
では早く檸檬爆弾(レモネード)の追加製造に移らなくては!」


「えっ、あの一寸!」


「其れでは!藍の女神殿!!
ウハハハハハハッウハハハハハハッ!」




そう云って分厚い扉は閉まった

砂の砦は殲滅したって云う鴎外さんからの御達し
聞いてないのかな


首を傾げ乍私は執務室に戻った

参→←瞬間



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(プロフ) - 15ページ 中也君な ではなく 中也君の ではないでしょうか?  (2021年5月24日 7時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
ザック - 面白かったです。ミステリアスで、文も読みやすかったです。ありがとうございました! (2020年1月8日 19時) (レス) id: fc99185244 (このIDを非表示/違反報告)
サチ - あれ?なんでだろう、目から塩水が (2019年8月12日 12時) (レス) id: 610253a17e (このIDを非表示/違反報告)
はなを(プロフ) - 幸人さん» コメント、そしてお気遣いありがとうございます!これからの展開にどうぞご期待ください! (2019年6月21日 18時) (レス) id: e980c2186f (このIDを非表示/違反報告)
幸人 - とっても面白いです。無理をしない程度に更新頑張ってください。 (2019年6月21日 8時) (レス) id: fa5f2782df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はなを | 作成日時:2019年6月17日 18時

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