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三体の巨人が居た。

ドクン

耳元で心臓が大きく跳ねる音がした。

ドクン

瞳孔が一気に縮まる。

ドクン

見ている風景はまるで物語の挿絵の1シーンのようだった。

ドクン

やっと何が起こったか状況を理解する。

A『ッア!?ダメ、辞めて辞めて、やめてよ!!ダメ!!』

喰われた。

3年間を共にした仲間が。

喰われた。

何時も私に手を差し伸べてくれた仲間が。

喰われた。

何度も何度もあった死地を一緒に乗り越えた仲間が。

あまりにも、簡単に。

ヒョイと足を掴まれて喰われた。

頭をもがれて喰われた。

トドメを刺されず苦しみながら喰われた。

A『何も…何も出来なかった…?』

視界が滲んだ。

辺りに大きな叫び声が響いていた。

今までできいたこともない様な絶望の叫びだった。

あまりにも喉が痛むので気づいた。

それは私の叫び声だった。

怒りで体が震えた。

滲んだ視界を拭いとるように目元を擦ると闇雲に刃を握った。

そこから走り出そうとした時肩を引かれた。

A『邪魔しないでよ、ジャン。』

振り返ると案の定ジャンが居た。

心底顔を歪めていて私には今すぐにでも泣き出しそうに見えた。

A『…大丈夫、絶対取ってくるから…仇。』

微笑んでそう言うと

ジャン「巫山戯んな、巨人3体。お前1人で殺れるわけねぇだろ。」

私の肩に置いてあったジャンの腕に更に力が増した。

怒られた。

A『…だって((「だってじゃねぇ!!」

グイッと引き寄せられた。

A『だってだよ!!ねぇ、ジャンも見てたでしょ?

喰われたんだよ仲間が!!3年間苦楽を共にした、仲間が!!

助け、助けられ、肩を預けあった仲間が巨人にただ図体がでかいだけの巨人に喰われたんだよ!?

こんなのぜんっぜん、だってじゃないでしょう!?』

また、目元が滲んだ。拭いとる。

どうしてか分からないけど息が上がった。

ジャンを睨みつけると

"バンッッ"

次の瞬間には頬が熱かった。

A『ジャ…ン?』

叩かれた?

ジャン「巫山戯んな。馬鹿か。今置かれている自分の状況を考えろ。

お前の取り柄は実は頭良い事くらいだろ!!

ほら、行くぞ、あっちに集まってる奴らがいる。取り敢えず合流しとく。」


ーーーーーー
Aさんとジャンが話してても巨人に食われ無いのは、仲間が喰われていた時にジャンが危険を感じてAさんを連れて遠くへ逃げていたからです。

尚、Aさんはショック過ぎて気づいてません。

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ラーメン(プロフ) - ああさん» はじめまして、ありがとうございます。是非是非また見に来てください (11月11日 0時) (レス) id: dbc4e4b5dc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - こんにちは!はじめまして!この作品とっても面白いですね!このあとの展開が気になります! (11月9日 14時) (レス) @page40 id: 26843e8005 (このIDを非表示/違反報告)
ラーメン(プロフ) - ありがとうございます!初コメ嬉しいです!学校のパソコンに感謝ですね。また見に来てくれてありがとうございます! (2021年5月1日 11時) (レス) id: dbc4e4b5dc (このIDを非表示/違反報告)
MATSUNO NANA(プロフ) - 初コメ失礼します!実は学校のパソコンで見かけて気になったのでまた見に来ました!更新頑張って下さい!!! (2021年4月30日 23時) (レス) id: 288501894e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラーメン | 作成日時:2021年3月19日 21時

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