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小｜中｜大｜空———。

青く広大で何者にも囚われず、誰のものにもならない。

「空というものはいいね、実に自由だ」

彼女あるいは彼は穏やかに微笑む。

けれど、少女は思った。

———空は地上の理から外れていたとしても、人は引力というこの世の理から離れることはできないのよ

しかし、口に出すことは出来ない。

だが、それは少女が臆病だからではない。

高度一万フィートから自由落下のスピードで移動していて流暢に話せる人間はこの地球上に何人いるのだろうか。

その証拠に、３人目の人影である少年の顔がいつにも増して死んでいる。



「…………………」

少年は殆ど意地になって地面に立っていた。

顔は何時もの澄まし顔よりは険しく、足元を見ていれば明らかに震えている。

「うーん、もう少しスピードの調整をした方がよかったかな？」

平然と立っている、彼あるいは彼女の腕には姫抱きにされている少女が眠って———気絶して———いる。

「前回、パラシュートでの着陸は楽しそうにしていたから大丈夫だと思ったんだけど………」

少年は思う。

———この人、加減が0か100しかない

と執筆状態：連載中