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シリーズ最初から読む | 作品のシリーズ [連載中]

もう記憶の奥底に沈んでいるほど前のこと。

トルバドゥールの図書室で項垂れる影が2つ。

「なんで、四つも違う言語を学ばなくちゃいけないの?」

少女は自分の顔よりも大きな本を見て項垂れる。

「クイーンはこれができるようになったら、また別の言葉を教えるって言ってたよ」

その返事に少女は沈黙した。

すでに頭のキャパは一杯一杯なのに…

と、少し泣きそうだ。

「発音も、ちゃんと直してかなきゃねって」

そして少年の更なる追撃に呻いた。

少女は逃げるように既に習得した英語の小説を開く。

「この本には、新しい言葉を学びたいなら、その言葉を使う恋人を作るのが手っ取り早いって書いてたの」

少女は足をブラブラさせて少年の顔を見る。

「でもダメね。私たちの第一言語は同じだもん」

少女は困ったように言う。

「………仕方がないから僕が先に覚えてあげるよ」

少女にとってこれは甘酸っぱい思い出として眠っている記憶。

少年にとってこれは、羞恥心を抑え込むように沈めた記憶だ。執筆状態:続編あり(連載中)

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作者名:ラーメン x他1人 | 作成日時:2024年2月10日 23時

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