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リード「うん、無理だろ」
廊下に出て直ぐ、リードは言った。
リード「どう考えても3日で全員は無茶だって」
尻尾でふよふよ浮くリード。
イルマ「俺は、無理なことだからこそ意味があると思っている。
バビルス全員を見返してやるチャンスだ、やってやろーじゃねーか。
俺たちで教師全員籠絡——先方はお前だ、ジャズ!」
イルマはジャズを指差した。
_____
許可書集めも2日目の中盤。
Aは先日とは打って変わっていつも通りの爽やかな風貌で職員室の扉を叩いた。
その様子を見るに、既に悪周期からは脱している。
彼女は、なぜそんなにも急に機嫌を直したのであろうか。
——単純だ、次のクロムのライブに当選したのである。加えて、数ヶ月前に発注したグッズが箱いっぱいに届き、幸福がストレスを上回ったのだ。
短い悪周期の終わりに、涙目だったサリバンは少し笑顔を取り戻しては、イルマに泣かされるを繰り返している。
A「ツムル先生はいらっしゃいますか?」
彼女は微笑む。
何せ幸せの頂にいるのだから。
ツムル「なにかな?」
なんとなく要件を把握しているツムルは、どこかワクワクしたような面持ちでAのもとに行く。
A「折言ってお話があるのですが…」
そう言ってわざとらしく職員室に目配せするA。
ツムル「いいよ、ここじゃなんだから場所を移そうか」
A「助かります」
_____
——空き教室。
と言っても、扉はガラリと空いているし、窓のカーテンだってきっちり開いている。
人通りも少なくは無いのか、偶に生徒の声が聞こえてくる。
密室とはとても言い難い空間だ。
A「うーん…もうちょっと人目につかないところが良かったんですが…」
そう言うと、ツムルは目を細めて笑った。
ツムル「流石に、理事長の身内と密室に2人きりというわけには…ね?」
分かるだろ、とツムルは言う。
A「まぁ、それもそうですね。では、本題に入らせていただきます」
パチン、と指を鳴らすA。
A「——貴方の“推し”は誰ですか?」
ツムルとAが対面する間の空間に数多のアクドルブロマイドが並ぶ。
ツムル「ッ⁉︎」
ほぼ反射で、ツムルは開けていた扉とカーテンを勢いよく閉めた。
ツムル「どういうつもりなんだ」
A「当てましょうか?」
話は全く噛みわない。
A「そうだな…アディーラちゃん、とか?」
ツムル「…なんで」
ツムルは顔を真っ青にして尋ねた。
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テト(プロフ) - ヴァイオリン弾いてる夢主ちゃん、、、私直視したら失明するかもな、、、 (1月2日 1時) (レス) @page35 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラーメン x他1人 | 作成日時:2023年12月6日 0時