雪の降る日に捨てられた悪魔 (ページ45)

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イルマたちはアブノーマルクラスの教室を出る。

そこには、大量のゴミとそれを置いて去る生徒の背中が見えた。

リード「全く、ゴミ捨て場まで行くのが面倒だからってこんな所に置いちゃってさ」

ガープ「公務員さんもまだ来ないし、拙者たちで捨てに行くでござる」

もう、慣れちゃった。と皆はヘラヘラと笑う。

その様子をイルマは不満げに見た後

イルマ「ラファイヤ」

と、一言でゴミを燃やし尽くす。

イルマ「気に入らねぇな、ここは俺のクラス。俺のテリトリーだ。
悪魔にとってランクは重要、このクラスにはハイランクも居る。
にも関わらずこの扱い、根本的に舐められている。」

イルマはニヤリと笑って振り向く。

イルマ「——決めた、俺はこのボロ教室から“城”に移るぞ」
＿＿＿＿
イルマ「起きろ」

突っ伏していたAの机をイルマは蹴る。

その衝撃に、酷く顔を歪めてAはイヤフォンを外す。

A「なに？」

その声は、いつものトーンより数段階低い。

イルマ「——城が、欲しくはないか？」

イルマはニヤリと笑った。

＿＿＿＿

——悪魔学校バビルス職員室。

カルエゴの前にアブノーマルクラス全員が対峙する。

イルマ「カルエゴ先生。お忙しい中お時間を取っていただいたこと、感謝いたします」

カル「くだらん前置きはいい、用件を言え」

イルマ「では、俺たちはアブノーマルクラスの教室移動を要求する」

カル「貴様、突然行軍してきたと思えばなんだその声明文は、そしてなんだその態度は」

イルマ「これまでの俺は少し無欲すぎた。カルエゴ先生もご存知でしょう。
我らアブノーマルクラスの教室は実に酷い」

イルマは身を乗り出さん勢いで話を続ける。

イルマ「外はゴミの山、中はボロボロ。
ひび割れた窓から隙間風が溢れる。
生徒の学習環境を整えるのは学校側の義務では？」

その言葉にカルエゴは眉を顰める。

イルマ「——そもそも、何故隔離する必要があるのか。我々の何処が問題児、アブノーマルなんだ⁉︎」