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A「落ちた…」
師団パーティーが終わってしばらく、私は必死だった。
勉強、師団活動はもちろん、屋敷での仕事。
特に仕事に関しては本当に必死に働いた。
それもこれも全ては魔苦針ドームで行われるクロムちゃんのライブに行くため。
補修を受けないように宿題は完璧にこなした。
練習に置いていかれないように必死にヴァイオリンと向き合った。
ライブにはお金がかかるから、空いてる時間は全て働いた。
そのおかげか、サリバンさまからお小遣いもいただけた。
初のドームライブは絶対に行きたかったから、ゼロが4つも並ぶお札を五枚も払い、抽選確率も上げた。
着ていく服だって、靴だって、全部完璧に決めていた。
新しいグッズを買い、ペンライトだって新調した。
——なのに落ちた。
A「お゛ぇ」
ショックすぎて、私はその後一週間寝込んだ。
学校にもいかず、兄さんの手伝いもせず、枕を濡らした。
———————
7日目が過ぎた頃。
イルマさまはいつもより遅く帰宅した。
その頃には私の体調も戻りつつあり、明日からは通常通りの日々を送ろうと覚悟を決めた頃だ。
イルマさまは満足そうな顔で、魔苦針ドームに行ったと皆に話した。
放送師団から譲り受けたチケットがあったので、アズとクララと行ってきたそうだ。
Aちゃんも来れたら良かったんだけど…と微笑むイルマさま。
普段なら、なんて優しい人なんだろうと感動していたところだろう。
だが、今は違う。
ぱりんっと足元から音がした。
——この世は不公平だ
本気でそう思い膝から崩れ落ちる。
膝を皿の破片が傷つけたが、そんなのはどうでもいい。
ただ、周りが、騒がしい。
あぁ、私はイルマさまにオタバレとか絶対嫌だと、体調を崩した原因も隠していた。
だから、イルマさまは知らなかったのだ。
私がクロムちゃんの大ファンだということは。
しかしそれでも私はこの世を憎んだ。
結果、私はふらりと気を失った。
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テト(プロフ) - ヴァイオリン弾いてる夢主ちゃん、、、私直視したら失明するかもな、、、 (1月2日 1時) (レス) @page35 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラーメン x他1人 | 作成日時:2023年12月6日 0時