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師団パーティーの準備も大台にのり、ついに明日には前夜祭を迎える日。
私も魔ーケストラ師団で使用する舞台の飾り付けに精を出していた。
A「あー、緊張するぅ」
舞台を彩る赤い幕のほつれを縫いながらぼやく。
A「ソロとか、ソロとか、できない訳じゃないけど。私凄いからできない訳じゃないけど、でもやっぱ緊張する」
緊張すればするほど手元の作業に力が入ってしまい気がつけばほつれどころか、幕に金の糸で刺繍をしてしまっていた。
刺繍は小さい頃に兄さんに教えてもらっていた。
よく、余った布の切れ端に念子の刺繍をしたものだ。
「おーい、Aちゃん。通しやるからそろそろ…って、すごっ手先器用なんだね」
A「ありがとうございます、すぐ行きますね」
先輩に呼ばれ、私は急いでケースからヴァイオリンを取り出して皆の元へ急いだ。
______
翌朝、日の光を迎え入れるまでは異様に早かった。
ただ、睡眠はきちんと取れたし朝ごはんもいつも通り食べられたので体のどこが変ということはなかった。
朝から音合わせがあるためイルマさまと共には登校できないが、それ以外には特に異変はない。
オペラ「着替えはきちんと持ちましたか?」
A「それ昨日も言ってたよ」
オペラ「そうですか、では師団の皆と食べてください。ちゃんと仲良くするんですよ」
ぐいっと差し出されるでかいお弁当。
A「ありがとう」
そう言ってはみたが内心戸惑う。
とてもでかいのだ、弁当が。
A「それじゃあ、兄さん行ってきます」
しかしまあ、これが兄さんなりの愛情なんだろうと思うとなんだかとても嬉しくて、笑顔で持っていく。
オペラ「A」
玄関から飛び立とうと羽を広げたところで声がかかる。
オペラ「当日はちゃんと見に行きますからね」
珍しく声の大きなその声に思わず笑みが溢れる。
A「うん、見てて」
今日は楽しくなりそうだ。
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テト(プロフ) - ヴァイオリン弾いてる夢主ちゃん、、、私直視したら失明するかもな、、、 (1月2日 1時) (レス) @page35 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラーメン x他1人 | 作成日時:2023年12月6日 0時