雪の降る日に捨てられた悪魔 (ページ23)

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サリ「ようやく納品されたよー」

そう言ってサリバンさまは赤原色のド派手な馬車を登校前の私とイルマさまに披露した。

乗って、乗って、と急かされるがままに私たちは馬車に乗る。

今は絶好調で馬車を運転しているサリバンさま。

こういうのって、私や兄さんがやるべきものなのでは、と疑問に思いながらも満足そうなので柔らかい座席に体を預ける。

イルマさまはすっかり萎縮して、小さくなっている。

バビルスに近づくに連れて登校中の悪魔達が歌う校歌が聞こええくる。

“人間丸々我らの食い物”

その歌詞を聞くたびに、イルマさまの表情は目立たないようにと言い聞かせているようだ。

しかし、まぁ私はあくまで“サリバンさまの”悪魔だ。

故に登校し終え、馬車から降りた後の行動くらいは心得ている。

座席の下に置かれていた赤いカーペットを取り出し、イルマさまが歩くであろう道へ敷く。

もちろん、イルマさまの荷物も私がお持ちしている。

オペラ「イルマさまのおなーりー‼︎」

兄さんがそういうと共に恭しく頭を下げる。

その時のイルマさまは顔を赤くしたり青くしたりとても面白い。

見事注目が集まったところでイルマさまの後ろに付く。

イルマ｢じ、自分で持つよ｣

A｢いえいえ、私が責任をもってお持ち致します。ささ、早く参りましょう｣

イルマさまを急かした時

アズ｢イルマさまー!!｣

アズが満面の笑みで登場した。

イルマ｢アズくん｣

A｢おはよー、はいクララもおはようね」

満面の笑みのアズに隠れてレッドカーペットにくるま突撃しようとしてくるクララの頭を掴んでとめる。

賑やかな面々が集まり、イルマさまは逃げるように教室へ向かった。