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ふ、と意識が回復する。

体は気だるく、どうにも動く気にはならない。

はぁ、まだ寝よ。と、かかっていた毛布を頭から被り直し、ようやく頭に?が浮かんだ。

A「なんで医務室?」

飛び上がり、周りを見渡すと初日以降来ていなかった医務室のベッドの上に私は居た。

オペラ「起きましたか」

タイミングを見計らったかのように聞き慣れた声と姿が現れる。

A「お兄ちゃ…兄さん、なんでここに?」

オペラ「サリバンさまの護衛です。
お前はイルマさまの悪食の指輪に魔力を吸われて寝込んでいました。
きっと、近くにいすぎたせいですね。
あれほど正体不明の物には近づくな、と言ったのに」

兄さんは頬をつついてきながら、「まだ、扱きがいがある」と、表情を変えずに呟いた。

兄さんに稽古を付けてもらうのは嫌じゃない。

むしろハイランクの悪魔に指導して貰えるということは、光栄なことであり、ありがたいことだ。

しかし、この人は限界の少し先にゴールをおく。

出来ないとはわかっていても、取りあえずやってみろ、の精神で私に課題を課す。

それで、課題をクリア出来ることもあるが、出来ないこともある。

大事なのはやってみることだ、と兄さんは言う。

失敗を許せない人じゃない。

だからこそ怖い。

平気で無理難題を押し付けてくる兄さんが。

A「いっ、一応4(ダレス)だったから弱いわけじゃないと思うんだけどな」

オペラ「4(ダレス)…そんな下位位階(ローランク)でよくそこまで自信を持てますね」

ふっ、と鼻で笑う兄さん。

いや、この歳の4は褒めて然るべきでは?

そう思い、顔で抗議の意を示すと、兄さんは何を思ったのだろうか。

オペラ「安心しなさい。"お前"のことは"私"が責任をもって鍛え上げます」

お前、私、と妙に強調する兄さん。

控えめに言って扱き殺されるかもしれない。

背筋を凍らせながら、魔力が半分も戻ってないことを確認されて、その日は早退した。

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テト(プロフ) - ヴァイオリン弾いてる夢主ちゃん、、、私直視したら失明するかもな、、、 (1月2日 1時) (レス) @page35 id: a46c77cf46 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ラーメン x他1人 | 作成日時:2023年12月6日 0時

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