雪の降る日に捨てられた悪魔 (ページ21)

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兄さんからのほんきの説教を覚悟した時、強い風が吹いた。

スカートが捲れるほど強い風。

A「金切りの長⁉︎」

風と共に現れるは金切り谷の長。

そして、よく目を凝らせば長の背のうえに人影が。

A「え“⁉︎」

この日、私は初めて腰を抜かした。

自分が使える主人が、まさか長を調伏するとは思っても居なかったのだ。

＿＿＿＿＿＿
人生初めてのランク証人の日。

私の主人とクラスメイトは正座で、ビリ、もう約束破りません、とそれぞれ書かれていた。

とても心苦しい。

カル「見せしめだからな。せいぜい笑われたり、小石を投げつけられるがいい」

陰湿に休みはないようだ。

それはそうと、私は全力を出して一位だったのだ。

A「私一番がいい‼︎」

これは譲れない。

リー「え〜ずるくね？」

この男は多分リードという名前のはずだ。

A「ずるくない、私が一番だったもの、ねぇアズ、そうだよね？」

横の‘アズに’確認をとる。

アズ「間違ってはいないが…」

A「ほら‼︎貴方は私が一番でいいと思うでしょ？」

言質はあるぞ、と正面の子に声をかける。

ジャズ「お、俺？…まぁいいんじゃねぇの」

彼は確かジャズだった。

A「だよね、わかってるぅ。それじゃ、私先引くね」

他に反対意見もないので列の最前に並ぶ。

ゆっくりと、人生のなかの新たな初めてを噛み締めるようにランクを授けてくれる梟の腹の中へと私は手を伸ばした。

【悪魔A。ランク4(ダレス)を獲得】

＿＿＿＿＿＿

A「あんなにタイムの差があったのに、アズとは変わらないのかぁ」

隣のアズを横目にぼやく。

アズ「なんだ不満か？」

A「不満というかがっかりというか」

世間話をしていたところ、耳に入るランク梟の鳴き声。

A「あれって鳴かない鳥なんじゃ…イルマさま怪我はありませんか？」

異変に、慌てて駆け寄る。

よく確認しようと手を掴んだとき

A「うるさっ」

断末魔のような叫びがイルマさまの手にいつの間にかついていた指輪からでる黒いモヤから聞こえてきた。

そして、次の瞬間魔力が抜けて意識を失った。